第20話

episode…19
362
2020/08/03 12:11
愛來side


仕事までまだ時間に余裕があったから
近くをウロウロしてると見覚えのある人影




まただ。


見たくも無いものをまた見てしまった…。



臣くんは前回とは違う女の人と歩いてる。


逃げるようにその場から去り
壱馬に電話を掛けた。



早乙女 愛來
早乙女 愛來
壱馬……
川村壱馬
川村壱馬
愛來?!
早乙女 愛來
早乙女 愛來
また見ちゃった……
川村壱馬
川村壱馬
すぐ行く。
絶対そこから動くなよ。


居場所を伝えるとすぐ電話を切られた。

川村壱馬
川村壱馬
愛來
早乙女 愛來
早乙女 愛來
壱馬
数分もしないできてくれた。

川村壱馬
川村壱馬
いこ。
今市さんのところはまだ空いてないから。
俺のいきつけな。
臣さんも知らんから安心し。
早乙女 愛來
早乙女 愛來
うん。


暫く歩くと、壱馬が足を止めた。


川村壱馬
川村壱馬
ここ
LIKIYA
LIKIYA
あれ?壱馬?
川村壱馬
川村壱馬
あっ、りきやさん
LIKIYA
LIKIYA
珍しいな。女連れなんって
川村壱馬
川村壱馬
とりあえず入れて。
色々事情あり
LIKIYA
LIKIYA
あー了解


りきやさんと言われた人は
扉を開けてどうぞっとレディーファーストしてくれた。

LIKIYA
LIKIYA
それで?
事情ありって?
川村壱馬
川村壱馬
俺の先輩いるでしょ?
LIKIYA
LIKIYA
あー登坂さんだっけ?
川村壱馬
川村壱馬
そう
LIKIYA
LIKIYA
それとどう関係が?
早乙女 愛來
早乙女 愛來
えっと……
川村壱馬
川村壱馬
無理に話さんでもええよ
早乙女 愛來
早乙女 愛來
私は臣くんの行きつけのキャバ嬢で
あの人に気がない事も私のことを愛してくれないのも分かっててずっと微妙な関係を続けてて……
LIKIYA
LIKIYA
なるほどな。
早乙女 愛來
早乙女 愛來
すいません。語彙力とかなくって……
LIKIYA
LIKIYA
いや、大丈夫伝わったよ。
川村壱馬
川村壱馬
仕事行く気満々のヘアスタイルだけど
早乙女 愛來
早乙女 愛來
うん。
髪色も変えてヘアメもして最終日だからって気合い入れたんだけど。
川村壱馬
川村壱馬
似合ってる。
早乙女 愛來
早乙女 愛來
ありがとう
川村壱馬
川村壱馬
今日は?潰れる?
早乙女 愛來
早乙女 愛來
多分……。
昨日よりも人が増えるかな。
最終日だし片寄さんも来るみたいだし
川村壱馬
川村壱馬
ってことはもしかしたら北人も来るかもな
早乙女 愛來
早乙女 愛來
あのさ……
川村壱馬
川村壱馬
ん?
早乙女 愛來
早乙女 愛來
臣くんと来た時……
川村壱馬
川村壱馬
壱馬さんでええよ。
気づかれたくないんやろ?
早乙女 愛來
早乙女 愛來
うん……ごめん……
川村壱馬
川村壱馬
気にせんでええよ。わかっとるから。

壱馬の優しさに甘えてる自分がいて
その自分も嫌だけどあの人から
離れられない自分がもっと嫌で壱馬の気持ちも分かってるのに答えられない……。



仕事前にもどかしい気持ちでいっぱいになった。

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