愛來side
ふと、目を覚ますと時刻は夜中の24時
病院内はとても静かで点滴の音だけが
ポタポタっと聞こえる。
トントン……
誰も来ないはずなのに突然聞こえるノック音
私は怖くなり扉に背を向けた。
それと同時に扉を開ける音がして
コツコツと近づいてくる足音……。
怖い……そう思った瞬間
頬に暖かい手が触れた。
え……?
そして、ごめんな……っと聞き覚えのある声
よく知ってる香水の匂い……。
臣くんだ。
椅子に座り私の手を握りしめると
手に濡れた感じがした。
うっすら目を開けるとそこには
やっぱり臣くんで。
泣いていた。
私の声にビックリして立ち上がり
その場を去ろうとする臣くん
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!