直弘と終わった私は、また見知らぬ男に抱かれる生活が始まった。
恋愛感情が絡むから傷付いて辛くなるんだ。
だったら知らない男に一瞬でも"女"と扱われてた方が楽じゃん。
楽しみにしていた誕生日も友達や親や仲間みんなが祝ってくれた。
これは、これで幸せだな。
しばらく恋愛は休みたい。
心を休ませたい。
この頃には自分の新しい車も持っていたから、とにかく遊んだ。
毎日毎日誰かと居た。
友達だったり知らない男だったり。
それはそれで楽で良かった。
この頃、消費者金融の借金が滞り出す。
"体を売る"
それを借金の返済に当てた。
直弘と終わって何だかんだ半年。
直弘は今頃新しい彼女と幸せになってるんだろうな。
何で私だけ?
何で私だけ、こんな思いしなきゃならないの?
直弘に対して私、何も悪い事してないのに。
好きな人に裏切られて。
私が本気になると絶対上手く行かない。
この頃から一気に恋愛と結婚願望が無くなった。
本当の自分にフタをして生きていけば傷付かない。
苦しくはなるかも知れないけど傷付かないなら、それで良かった。
そうやって生きて行こう。
そんな時だった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!