第110話

隆二と直弘
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2020/05/01 00:22
一緒に暮らし始めて1週間が過ぎた頃。
隆二と夕飯を済ませテレビを見ていた。

そんな時、私の携帯が鳴った。
知らない番号。
『もしもし?』
「よー。」
声を聞いた瞬間、震えた。
直弘だった。
『何?』
「お前、今どこ居んの?」
凄く機嫌が悪いのが、すぐわかった。
『彼氏の家だけど。』
すると直弘は凄い剣幕で怒りだした。
「はぁ!?テメーなに勝手に男作ってんだよ💢俺が好きなんじゃなかったのかよ?ふざけんじゃねーよ💢💢」
怖い。でも私には隆二が居る。
『何言ってんの?私達、別れたよね?直くんが私を捨てたんだよね?私に彼氏が出来ても文句言われる筋合いない!』
「はぁ💢お前、本当常識ないな💢俺は事故おこして落ち込んで辛いのにテメーだけ幸せになるなんて許さねー💢最近、どうりで車が無いと思ったら男のとこだったのかよ💢💢」
事故おこしたから窓にタバコが掛かる事がなくなったんだ。
『事故おこしたから何?私関係ないよね?今、私やっと幸せになれそうなの!邪魔しないでくれる?』
「テメー💢俺が、こんなに辛いのに慰めの言葉一つ言えねーのよ💢非常識だな、本当に💢」
そう言って、一方的に電話が切られた。
意味わかんない。
正直、直弘の事なんて隆二の側に居るようになって本当に薄れていたのに。
なんで私の気持ちを乱すの?
あまりにも勝手な直弘の電話に唖然とした。
「電話だれ?」
少し不機嫌そうに隆二に聞かれた。
直弘の声は漏れるほど大きかったし、物凄い怒っていたから隆二にも聞こえたと思う。
『元カレ…電話番号とか消しちゃってたから気が付かなくて出たら元カレで…』
「今さら、なんだって?」
隆二は明らかに怒った顔してた。
今の電話内容を全て伝えた。
「あまね、怒ってごめんね。あまねに怒ってんじゃないからね!元カレに腹立ってるだけだから!」
『うん。隆くん、ごめんね、嫌な想いさせて。』
「あまねは何も悪くない!全部元カレが勝手なだけ!気にしないで、もう着信拒否しな!」
『ありがとう。拒否する!』
そして拒否しようとした時、また直弘から電話がきた。
すると隆二が私の携帯を奪い電話に出た。
「おい、あまね💢聞いてんのか💢早く帰って来いよ💢俺が好きなんだろ💢今帰って来たら許してやるから帰って来い💢💢」
隆二は黙って直弘の話を聞いたあと
隆二は言った

隆「おい、お前誰に口聞いてんだよ!」
直「はぁ💢お前誰だよ💢あまね出せよ💢」
隆「テメー何様だよ💢あまねは今俺の女なんだよ💢いつまでもグチグチ言ってんじゃねー💢💢2度とかけてくんなよ💢かけてきたら許さねーからな💢💢💢」
直「…すいません。」
そして隆二は電話を切って拒否してくれた。
『隆くん、ごめんなさい。』
「なんで謝るの?」
『だって嫌な想いさせたし怒らせちゃったから…』
「俺こそ怒って怖い想いさせてごめん。アイツ最後ビビって、すいませんって。チキン野郎だな!」
そして抱き締めてくれた。
「あまね、毎日あんな風に怒鳴られてたんだね。苦しかったね。でも、もう大丈夫。俺が守るから!安心して、ここに居て。元カレには家もバレてるし会社もバレてるから、しばらく仕事休ませてもらって、ここに居て。心配だから。」
『うん。隆くん、ありがとう。』

久々に聞いた直弘の怒鳴り声で震えていた私を隆くんが慰めてくれた。

私は、しばらく仕事を休む事にした。

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