第111話

隆二14
139
2020/05/01 09:25
翌朝
会社に数日休むと連絡した。
隆二も
「お金の心配はしなくていいから!とにかくアパートに居れば俺も安心だから。買い物も俺が帰って来てから行けば良いし外食でも良いから。とにかくアパートに居て。」
『うん、そうする。怖いから…』
隆二には借金の話もしてたから理解してくれてた。
隆二が仕事に行った後、家の掃除をしたり久々にのんびり過ごした。
"ここなら安心"
本当に安心だった。

お昼、宮ちゃんから電話がきた。
「体調悪いってどうしたん?」
昨日の出来事を話した。
宮ちゃんは怒った。
「直くん、バッカだねー💢呆れるわ。でも隆くんがガツンと言ってくれて良かった‼️しばらく隆くんの言うこと聞いてな。」
『うん。そうする!わざわざありがとうね。』

するとまた携帯が鳴る。
隆二からだった。
「あまね、大丈夫?」
『うん、今掃除してさっぱりしたとこだよ!』
「無事なら良かった!ゆっくりしてな。今日は何か食いに行こうね!」
『ありがとう。仕事頑張って。』
隆二はペアで運送の仕事をしてたから休憩も取れずなのに、時間をみつけて電話してくれた。
本当に優しい。
昨日あんな事があったけど幸せだなと思った。
直弘は私が体調悪くても心配してくれた事なんてなかった。
平気で熱があってもセックスだけの為に来た事もあった。
高熱だから会えないと言えば怒られ
「自己管理出来ないなんてバカだな💢」
とキレられた。
なのに自分が風邪を引けば
「辛くて死にそうだ。看病に来い。」
本当に私、バカだったな。
隆二と付き合う様になって"普通の優しさ"を知った。
今まで直弘に洗脳されてたからマヒしてた。
私は直弘に愛されてたんじゃなくて、ただの奴隷。
その事を思い出したら涙が出た。
5年もムダにした。
19歳から24歳の1番楽しい時期に。
自分のバカさにも泣けた。


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