第54話

直弘⑥
210
2020/04/16 20:47
ホテルを出た私達は、あちこち観光しながら帰宅した。

『直くん、凄く楽しかった。ありがとう!』
「俺も楽しかった!また遊びに行こう!」
『うん!それじゃ、また。』
「ちょっと待って!あまね、俺、マジだから。あまねの事。本当に好きだから。今まで元彼の話、たくさん話してくれて辛かった気持ち、また裏切られるんじゃないかって気持ち、トラウマも全て俺が受け止めるから!だから真剣に考えてほしい。」
『…うん。わかったよ。』
「じゃ俺帰るよ!」
『気を付けてね。ありがとう!またね!』
「また連絡するから!」
『うん。』
そして直弘とバイバイした。

私は、しばらく家に入れず外でボーッとしていた。
そして美優(涼11辺りに登場しています)に電話した。
美優は何でも話せる親友の様な存在。涼の事も美優にだけは全て話してきた。
今回の直弘との事も知ってる。
「あまね!どしたの?」
『直くんと初めて会ったの。』
「えっ!マジ?不細工だったの?まさかのイケメン?」
相変わらずの美優。
そして今回の出来事を全て美優に話した。
「ちょっと!対応イケメン!あまねは、どうなの?」
『うーん、告ってくれたのは嬉しかったよ!でも怖いんだよね。今までの事あったから。美優はラブラブで羨ましいよ!』
美優は、ずっと同じ人と付き合ってた。
名前は啓太くん。私は啓ちゃんと呼んでた。
「えーラブラブでは、ないよ!啓太頼りないしさ!」
『でも啓ちゃん、美優の事めっちゃ好きって感じでさ。本当に、お似合いだから!』
「まー確かに想ってくれてるのは凄く伝わるけどさ!あまね、とりあえず直弘くんの様子が、これからどうなるか、ちゃんと見て答え出せば良いんじゃない?慌てる事はないよ!むこうも、ゆっくり考えてって言ってんだし!」
『そうだよね。なんかスッキリした!聞いてくれてありがとう!』
「何かあったらまた連絡して!」
『ありがとう!またね!』
電話を切った。
すると直弘から電話がきた。
「あまね!ずっと話中だった?俺拒否られてるのかとマジ焦った!」
『あっ友達と電話してたの。お土産渡すね!って。それに拒否んないよ。』
「良かったー!」
『家着いた?』
直弘の家から私の家は同じ県内だけど片道40分はかかる距離。
「あと10分くらいで着くかな?」
『長い運転お疲れ様。本当に楽しかったよ!私も家入るから気を付けてね!』
「わかった。着いたらメールしていい?」
『いいよ!じゃーね。』
「後でね!」

ちょっと連絡が付かないだけで不安になってたんだ。
私は、お風呂に入りながら考えてた。

そして部屋に戻ると直弘からメールが来てた。
無事に着いたみたいだった。
良かった!
それから寝るまで、ずっとメールして私達は眠りについた。

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