第121話

隆二22
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2020/05/04 00:23
車に乗った私は、とにかく病院に居れば安心。
少しホッとした。
ずっとバタバタしてたからスルーしてたけど奥さんだの婚約者だの何か凄い話になってる。
とにかく社長に連絡しなきゃ。
初めて隆二の携帯を見る。
何だかドキドキした。
携帯を見て嫌な想いをした過去が蘇ってきた。
でも今は、それどころじゃない。
連絡先メモリを開く。
隆二の携帯には、ほとんど登録がなかった。
私、会社の人、親戚関係。
本当に、それくらいしか入ってなかった。
出来心でメールも確認。
本当に何もなかった。
送受信共に全部私。
もちろん削除した形跡は無かった。
少しでも疑ってしまった自分に後悔した。
本当に私だけを見てくれてた。
こんな時に変だけど嬉しかった。

そして社長に電話をし、事情を説明。
隆二の代わりに社長の息子が支店に来ていたから息子に行かせると行ってくれた。

そして私は急いでアパートに帰る。
看護師さんに渡された紙を見ながら必要な物をカバンに詰めた。
そして、お金の準備。
隆二に言われた場所を見た。
初めて開ける小さな引き出し。
同棲してたけど開けた事なかったな。
そして引き出しを開けると、そこには見たことも無い札束があった。
私はビックリした。
数えてないけど100万以上はあったと思う。
家に、こんな大金置くなんて危ない。
ってか私と付き合って、1週間で合鍵を渡した隆二。
もし私が引き出しを開ける女だったら?
取られてたかも知れないのに。
本当に信頼してくれてるんだ。
嬉しかった。
そして、そこから必要な金額に隆二に少し多めに持ってきてと言われたので用意して病院に戻った。

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