翌日、実家から仕事に向かった。
宮ちゃんに昨日の話をした。
「はぁー💢まだ連絡してくんのぉー?ぶっ飛ばしてやりたいわ!」
『しかもさ、昨日ピンポイントに電話してくるとか怖すぎで。』
「見てたんじゃないの?」
『それは無い!私怖くてマンションの最上階まで登って確認したけど居なかったから。』
「変なタイミングで怖いね。」
『うん、そう。なんで昨日なんだろって。』
「もしかして揺れた、気持ち?」
宮ちゃんには嘘付けない。
『何で隆くんが居るのに揺れるのか自分にイラついて。絶対に直くんと戻る選択肢なんてないのに。』
「あまねちゃん、それは仕方ないよ。今、隆くんと幸せで上手く行ってても、まだ付き合って2ヶ月でしょ?直くんとは何年居たって!いくら隆くんが大事にしてくれて想ってくれても2ヶ月と5年は比べ物にならない時間だよ。愛情も情も色々含めても、すぐに無かった事には出来ない。もちろん直くんとの未来はないけど、急に全てを隆くんには向けないよ!」
『そうかもね。でも私、絶対に直くんとは戻らないし戻りたくない!隆くんとダメになったとしても直くんとだけは無理だよ。』
「直くんなんかと戻ったら、あまねちゃんも、ぶっ飛ばしてやるからね(笑)」
宮ちゃんは、いつも的確なアドバイスをくれる。
本当、同じ会社で毎日話せる人が居て良かった。
仕事が終わりアパートに急ぐ。
早く隆二に会いたい。
隆二の顔見て安心したい。
夕飯の材料を買ってアパートに戻った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!