第39話

涼15
378
2020/03/27 23:51
家に帰宅した私。
帰り道、すごく長く感じた。
ベットに横になる。
一緒に暮らしていた訳じゃないけど涼が車に居るって事が安心材料だったみたい。
淋しいな。
枕元に飾ってある明斗との写真。
明斗と私の笑顔いっぱいの写真。
涙が出てきた。
いつも涙なんか出ないのに。今日は涙が止まらない。
涼が近くに居たから?寂しいから?
もうわからない。
とにかく明斗との写真は片付けよう。
飾ってあっても決して良いことはないから。
私は、あまり開けない場所に片付けた。
そして携帯を見る。
明斗と付き合ってる時にくれた明斗からの嬉しかったメール。
全部保護してある。
全部読み返す。
更に泣けてくる。
あんなに幸せだったのに。
あんなに大切にしてくれたのに。
あんなに大好きだったのに。
でも、このメールがある事で私は前に進めない。
消すのが怖かった。辛かった。
だけど保護したままにしとおく訳にもいかない。
思いきって消そう。
私は勇気を出して明斗からのメールを全て削除した。
もう2度と見ることは出来ない。
辛さが込み上げる。
でも良かったって思わなきゃ。
ずっと進めない。

そんな時、携帯が鳴った。
涼だった。
「おう!無事家着いたか?」
『うん、着いたよ!』
「お前泣いてんのか?」
『明斗からのメール全部削除して写真も片付けたの。』
「そっか。俺が居なくて寂しくて泣いてんじゃないのかよー!」
『違いますー!』
「俺は、寂しかったから電話したってのに。」
『また冗談言って!』
「冗談じゃねーよ。本当。」
『なんか変な感じは私もするよ、一緒に暮らしてた訳じゃないのにね。』
「そうだろ!でも、あまねは前に進む努力したんだな、頑張ったな!」
『うん、辛かったけど頑張ったよ。』
「俺も明日頑張ってくるから。」
『そうだね、辛いよ絶対に。でも逃げないで向き合って。』
「ありがとな!」
『じゃ明日仕事だから寝るね。』
「おう!おやすみ。」
『おやすみ』
電話を切って泣き疲れた私は、すぐに眠った。

プリ小説オーディオドラマ