第127話

隆二28
128
2020/05/06 11:14
翌日、仕事に言って宮ちゃんに週末の出来事を話した。
「しかし、あまねちゃんは波瀾万丈だよね!いつも何かしらあるよな(笑)でも隆くん無事で良かったよ!しかも婚約者って(笑)」
『だってさー方法がなかったから!仕方なかったの。』
「隆くんの親に連絡しなくていいの?」
『隆くんにも言ったんだけど嫌だって言われて。』
隆二は自分の家族の話を、あまりするのが嫌みたいな雰囲気があって。
別に話したくない事を無理やり聞く事もないかなって思ってた。
ただ入院するときに初めて知ったのは隆二の母親は亡くなっていた事。
両親が居るのが当たり前の様に思っていたから驚いた。
いくら好きでも大切でも話したくない事とか言いたくな事って誰にでもあると私は思ってたから今まで聞かなかったけど、さすがに聞いてしまったから少し隆二に詳しく聞いた。
「家の風呂で死んだ。脳梗塞で。それから親父は1人暮らしで弟は結婚してる。俺、親父が嫌いなんだ。だから関わりたくないんだ。だから連絡しないで欲しい。」
私は、それ以上聞いちゃいけない気がした。
家族だからって皆仲良く暮らしてるわけじゃない。
他人には分からない事もあると思ったから。だから私は
『うん、わかった。私が、お世話すれば良いからね!』
とだけ話した。
宮ちゃんも
「あまねちゃんの対応で良いと思うよ!実際結婚してる訳じゃないし付きあってる段階で親の事は関係ないからね!」
『そう、私も思ったから隆くんの言ってる通りにしたの。』

その時、思い出したのは私の実家に同棲の挨拶に来てくれた帰りに
「あまねんちは家族仲良しだね!」
って言われた。
私は、その時はサラっと返事したけど隆二には色々思う事があったのかなと思った。
自分の実の父親が嫌い、関わりたくないって、よっぽどの事が無かったら浮かばない感情だと思った。
"この人(隆二)は何か抱えてる"
何となく思ったのを凄く覚えている。
だから私が支えてあげたいと更に思った。

仕事が終わり携帯を見ると隆二からメールが来ていた。
"状態が安定して大部屋も空いたから部屋移動したよ!"
良かった!
"仕事今終わったから、すぐ行くね!"
とメールを返して病院に向かった。

病室に着くと隆二は4人部屋の窓際に居た。
『隆くん!』
「あまねー!お疲れ様。」
ハグとキス

「今日からやっと飯に、お粥が出た!不味いけどね(笑)」
『それだけ回復してきたって事でしょ?良かった!』
「あと最初入院1週間って言われたけど回復早いから早めに退院出来るかもって!」
『えっ!本当?良かったぁ♪♪』
すると看護師さんが入ってきた。
「藤堂さん、検温ですよ!あら婚約者さん来てたんですね!」
『隆くんが、お世話になっています。』
「藤堂さん、いつも婚約者さんの事ばかり言ってますよ!」
隆二は照れくさそうな顔してた。
「本当仲良しなんですね!結婚は、いつでしたっけ?」
『いや、まだ決まってないんで。』
「そうなんですか!楽しみですね。じゃ、また来ますね!」
それだけ言って部屋から出ていった。
なんだか隆二は気まずそうに照れくさそうな顔。
『隆くん、そんなに私が好きなのー?(笑)』
「べっ、別に良いじゃんか!」
『嬉しいけど♪』
そしてまたキスした。

その後、隆二が言い出した言葉に私が驚く事は想像もしてなかった。


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