第24話

涼①
846
2020/03/24 09:55
涼と初めて会う日が来た。
気が合う人なら良いなぁ。
久しぶりに明斗の事を考えず素直に楽しみだった。

そして待ち合わせ。
私は車で涼の最寄り駅で待った。
車の車種、ナンバーを伝えた。

すると突然助手席のドアが開いた。

「よう!あまね?はじめまして!俺、涼!じゃ行こうか!」
『あっはじめまして。はい。』
「とりあえずカラオケ行くか!」
『あっ、うん。』

初めて会ったのに、凄い軽い感じでビックリした。
涼の案内でカラオケ店に着いた。
涼の行きつけの店の様で慣れた様子で受け付けをして部屋に案内された。

「とりあえずフリータイムにしたから歌っちゃう?それとも話する?」
『あっどちらでも。』
「じゃ俺歌っちゃお!」

私は呆気に取られていた。
涼は凄く歌が上手かった。
それを聞いているのが心地よかった。

涼は何曲か歌った後、ドリンクを一気に飲み干した。
「カラオケ久々ー!スッキリー!あまねは?歌わないの?」
初めて会ったとは思えない様な雰囲気に圧倒されてキョトンとしていた私。
「もしかして緊張してる?辞めよーぜ!友達になれたんだし!カンパーイ!」
『…カンパーイ。』
「テンション上げてこうよ!」
『あっうん…。涼くんはさ、こうゆうの初めてなの?それとも慣れてるの?』
「いやいやいやいや、初めてだよ‼️俺も緊張してるから和ませる為にテンション上げてんだよ!あと涼くんって辞めろよ!涼で良いから!改めて宜しくな!」

明斗と全然違うタイプだ。
でも何か新鮮で楽しかった。
それから、ずっとずっと話続けた。
実は同じ歳だった事。
涼は彼女と別れた理由を話してくれた。
「俺たちは別れたくて別れた訳じゃないんだ!元カノが2個下でさ。健気に原付で俺に会いに来るんだよ!原付さ危ないからさ。俺も何回も事故ってるからさ。彼女に危ない思いさせたくないじゃん?そしたらケンカになってさ。そのまま別れたんだ!」
『じゃ嫌いになって別れた訳じゃないじゃん?復縁もありじゃん!あたしなんか脈なしだよ(;_;)2度と会えない。』
「あまね、ネガティブだね!俺は今回の元カノとの事は良かったと思ってる。何かあってからじゃ遅いじゃん?まぁ忘れらんないけどな。
あまねはさ、2度と会えないって言ってるけどさ、会う為に努力した?会社調べたり直接行ったり。」
『確かに何もしてない。会社に行ったり電話したり迷惑かけたくなくて。』
「あまね!迷惑かけて傷付けたのは元カレだろ?そんなの怖がらないで動かなきゃ‼️いつまでも引きずってくんじゃん?俺も協力するから、ちゃんと話せ、元カレと。」

涼の言ってる事は正論だと思った。
私は、ただただ泣いて辛い辛いって何もしなかった。
「元カレから本当の話聞くのが怖いんじゃないの?」
何も言えなかった。
そして涙がボロボロ流れた。
「泣きたい時は泣けば良い!声出して泣け!」
私は今まで我慢してた気持ちをさらけ出し、声を出して泣いた。泣いて泣いて泣きまくった!
「あまね!いいじゃん!泣け泣け!」
涼は気を使ってくれたのか
「俺歌ってるから気が済むまで泣け!話聞いて欲しかったら言って。」
そう言ってくれた。
私はとにかく泣いた。
『明斗ー!明斗に会いたいよ!ちゃんと話して欲しかったよー!明斗のバカー!大っ嫌い!!大好き!』
「大っ嫌い!大好きってなんだよ!」
そして2人で大笑いした。
こんなに笑ったの久しぶりだった。
本当に気が楽になった。
涼と会えて良かった。
そう思った。

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