第142話

隆二43
163
2020/05/17 14:31
私達は市役所の駐車場に着いた。 
時刻は午後11時45分。
ラジオを付けて時間を聞きながら日付が変わるのを待った。
「こんな時間でも婚姻届って出せるんだね!」
『本当だよね!昼間しか出せないと思ってたから宮ちゃんに感謝だね!』
これも宮ちゃんが教えてくれた。
仕事休んで1人で出しに行こうと思ってたから2人で出せる事が嬉しかった。

車の中で日付が変わるのを待ってる間
私は色々な事を考えてた。
明斗、涼、直弘…
それ以外にも、たくさんの男と色々あった事。
ずっと幸せになっちゃいけないと思ってた。
結婚なんてしなくて良いと思ってた。
本当の自分なんか、ずっと隠して生きていくんだと思ってた。

まさか出会って付き合って3ヶ月で結婚するなんて
たった3ヶ月で私を変えてくれる人に出会えるなんて3ヶ月前の私には想像も出来なかった事。
"3ヶ月"
長いか短いかで言ったら絶対短い。
でも短い時間でも隆二は私を、真っ直ぐ見つめて私を変えてくれた。
幸せになって良いって教えてくれた。
これから結婚して正直、上手く行くかなんて誰にもわからない。
隆二となら乗り越えて行けると思っていても乗り越えられない事も、あるかも知れない。
もしも、この先、隆二と離れる事になったとしても私は後悔はしないと思った。

愛される幸せ
愛する幸せ
本当の自分を出せる場所

それを教えてくれた隆二と出会えただけで私の人生は丸儲け。

隆二、本当にありがとう。

そんな時ラジオから聞こえた
"間もなく12時を、お伝えします"
隆二と、しっかり手を繋ぎ
2人でカウントダウン

そして日付が変わった瞬間
「あまね、誕生日おめでとう!大好きだよ!これからも、ずっと一緒に居ようね!」
『隆くん、ありがとう!私も隆くんが大好きだよ!こちらこそ宜しくね!』
そしてキス
「さぁ婚姻届出しに行こうか!」
『うん!』
手を繋ぎ書類を持って夜間窓口に向かった。

警備員の、おじいさんが居て
「婚姻届ですか?」
『はい!』
そして書類を渡す。
警備員さんが書類を確認。
「はい、確かに間違いなく書類も揃っています。おめでとうございます!後日、改めて婚姻届受理の書類が送られて来ますからね!幸せになってくださいね!」

私達は夫婦になった。

家に帰宅し私は予め隆二に書いておいた手紙を渡す。
隆二は、すぐ読んでくれて
「あまね、ありがとう!本当に幸せになろう!幸せにする!愛してるから!」
『私も!改めて宜しくね!』

そう言って"夫婦"になって初めて体を重ねた。

2008年7月
私25歳
隆二33歳
私達は結婚した。



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