あなた side
「謙杜のこと誘えなかったし…。」
「いつものことでしょ。笑」
「でも、今回は謙杜の姿すら見れたかったよね。」
「確かに、!」
「じゃあ、今日はしょうがないかぁ!!!」
女子の会話によれば、放課後のチャイムと同時に
長尾謙杜は、なぜか姿が無くなっていたらしい。
要するに、突然な失踪。
この失踪から、少しテンションが下がる女子も
私から見る限りは、いる。
でも、さっきの女子みたいに、
プラスに考えてテンションを戻す人もいる。
たった一人の男によって、こんなに女子の上がり下がりが
左右されていいものなのだろうか。
そう思いながらも、昇降口で靴を履き替えるべく、
自分の靴箱を開けた。
すると、靴の上に置かれる1枚のメモ用紙。
『なんこれ…。』
2つ折りにされてる用紙を開けば、
ボールペンで、妙に分かりずらい地図的なものと、一言書かれていた。
「 ここの公園で待ってます。(地図記載) 」
『ここの公園って…確か…。』
毎朝通る道…だよね。
というか、急になに…。
早く帰りたいのにさ。
この手紙無視していいかな。(