あなたside
私は、過去のことを全てみんなに話した。
『ギュ』
一瞬何をされたのか分からなかった。
私は、隼兄に抱きしめられていた。
その瞬間、何かが溢れてきた。
私は泣いた。
泣いて泣いて泣きまくった。
そして、そのまま私は眠った。
~次の日~
目を覚ますと、そこは広い部屋だった。
私は体を起こし、改めて部屋を見る。
そこは、寮とは思えないほど豪華で広い部屋だった。
そして、もうひとつのベットには…
すやすやと気持ちよさそうに眠る隼兄の姿が。
寝言で私の名前を呼んだ。どんな夢を見てるんだろう。
そんなことを考えていると…
『コンコン』
「隼ー、入るぞー」
そう言うと、海兄が部屋に入ってきた。
『バタンッ』
海兄が出ていくと、部屋がシーンと静まりかえる。
私は、隼兄を揺さぶりながら言う。
このくらいじゃ起きないかな?と思ってたら、隼兄がこっちを見た。
あ、あれ?隼兄は、思ってたよりすんなり起きた。
なんか…簡単過ぎないか?
まぁ、いいか。
こうして、私と隼兄は共有スペースに向かった。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!