第88話

休日、木漏れ日に(ティナリ)
1,910
2023/06/10 01:37
休日の朝。
木漏れ日が心地いい。
今日はいい天気だ。
ティナリ
……ねえ、そろそろ…
あなた

やだ!

ティナリ
はぁ……まぁいいけど。
ティナリの膝を枕にして、しっぽに手を伸ばす。
最近彼の仕事が忙しくて、
なかなか休みの日を合わせることができなかった。
ティナリ
……あなた、そろそろお腹すいたでしょ。
あなた

すいてな……っ

強がって否定しようとした瞬間、
タイミングを見計らったようにお腹が鳴って、あなたは頬を赤らめて目を背けた。
ティナリ
ふふ……言わんこっちゃない。
ご飯を用意するから、ね?
あなた

……やだぁ。

ティナリもこれには少し困った表情を浮かべる。
ティナリ
……あなた。一体どうしたの?
あなたはティナリの服に顔を埋めて黙っていた。

……ただ、足りない。
もっとずっと一緒にいたい気持ちと
自分のやりたいこと、ティナリのやりたいこと
やらなくてはいけないこと。

時にそれが混じりあって、
どうしたらいいか分からない気持ちになる。

今はまだこうしていたい。
満たされるまで、ずっとこうしていたい。
あなた

……離れたくないの。

ティナリ
僕はどこにも行かないよ?
あなた

うん。わかってる、けど……。

その声に、ティナリはまた苦笑いを浮べてあなたの頭に優しく手を置いた。
くしゃっと撫でると、少し不貞腐れた顔であなたが見上げる。

……愛おしい。そう思った。
ティナリ
なに。大丈夫だよ。
あなた

……もう少しだけ。

先程よりも控えめな声にティナリは微笑む。

……まぁ、今はこのままでもいいか。
ティナリ
……ふふ。少しだけだよ。
ティナリの手が触れたところが、じんわり温かい。

大丈夫。こんなに幸せだ。
今日はただ、この時間を噛み締めていよう。

2人の1日は、まだ始まったばかりだから。
作者より🐾

かなりお久しぶりになってしまいました、、!
少しずつ復帰していこうと思います!
待っていてくれた皆様、ありがとうございます!

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