忘れるのは、怖い事だって皆言う。
それは…分かってる。
でも私は
___でも俺は、
今のフリアには必要なんじゃないかって思った。
…そう思ったのも束の間。
“チア”が生まれた理由は、
俺の望む通りで、
『恐怖心を捨てる為』だった。
此処じゃそれなりの知識はある。
だが、
外に出るとなると話は別だ。
チアは外に出る度、◆◆が◇◇◆に◆◇から。
チアは、読◆◆の才能があった。
読み書きはいくら教えても
平仮名とカタカナしか分からなかったが、
読◆◆の技術だけは…天才的だった。
「一」「二」
その漢字すら読めないのに。
相手の口を読むのは、
誰よりも上手で。
「叩いてあ る。」
そう“見えて”
咄嗟に避けてみれば、
叩きに来た手から逃れられていた。
___少し、いや…結構、申し訳ないとは思う。
こんな子一人に。
あまりにも荷が重過ぎるのではないか。
『誰かを守る、庇う』と言うのは
こんなにも辛くなければいけない事なのか。
なぁフリア。
そこまでして…守りたいのか?
___なぁ…
此処までする程、フリアにとっての“皆”は…大切だったのか、?
…俺には、分かんねぇよ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。