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第45話

目線
23
2023/09/07 15:45
















響
……はあ
幾度体験しようと慣れない目線が刺さる。
此処に友達なんて居ないけど、来ようって思った。

人間は怖い。
陰口だってもううんざりで、ヒソヒソ声に気が引き寄せられる。
でも、フリアが…皆が教えてくれたことがあるから、私…は。

『たしかに、克服するのも大切だよ』
『怖がってた物事を軽く見られるようになる』

『でもね。』
『克服しなきゃって焦ることはないんだよ』

『無理しちゃ、だめだよ。響。』


響
……帰ろ





帰路の道端に咲く花が目に入る。
適当に歩いてるだけじゃ見当たらない様な花も、少し咲いてる。
…気がする。
響
…あ。
紫色の丸っこい花が目に入る。
記憶が揺らめいで、ふと足が止まる。

この、花
確か…
響
………アネ、モネ



金鳳花きんぽうげ科の花は、匂いが少なくて___』


響
……。
響
はは。…変なの
いつまでこの声は頭に浮かんでくるんだろう。

でもこの声に抱く感情は嫌悪じゃない。
寧ろ安心する。

私は一人じゃない。
皆だって、フリアだって一人じゃない。

また会えたら、そりゃあ…嬉しいけど、でも。



もう、会えないんだったら、


響
ずっと……
ずっと、私の中で、皆の傍で…声を掛け続けてくれないかな。
私達を、見守っていてほしい…









_ありがとう、さんにんとも。

私がずっと、怖くてしかたがなかったものが、
今じゃあんまり怖くないんだ。

それは、みんなのおかげ。
フリアたちはもちろん、タオイさんも、チアちゃんも…
他のみんなも。

こんなこと、恥ずかしくて言えたものじゃないけど…

ほんとに、ありがとう。
私を受け入れてくれて、私に手を差し伸べてくれて。
みんなに優しくしてくれて。

私を、みんなを守ってくれて。

やっと、この世界の静寂を好きになれた気がする。



ダイヤモンド__カスミソウ。



_そうだ、フリア
私、アネモネとか…結構好きだよ。







フリア
フリア
…(くす)
フリア
フリア
(ダイヤモンドの石言葉は純潔、無垢、永遠の絆)
フリア
フリア
(カスミソウの花言葉は無垢の愛、感謝、幸福…)
フリア
フリア
(それと、アネモネは…金鳳花科の植物。)
私が、花図鑑で響に見せた金鳳花科。
アネモネもその一つで、匂いがあまりしない。
フリア
フリア
(……よかった。響、好きな花が出来たんだね)
見せてよかったなあ。



フリア
フリア
……「私も、アネモネ好きだよ」
フリア
フリア
「よかったね、響」




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