第37話

楽譜
17
2023/01/21 04:51

















香織?
…もう、皆意地悪だなぁ
香織?
思い出したって報告する割には、全然教えてくれないし…
香織?
……そりゃあ、確かに自分で思い出した方が良いんだろうけど
香織?
そう…思うけど




香織?
っあーー!!やっぱ納得行かない!
香織?
フリアちゃんのことも、
皆が隠す理由も……分かんない…
分かんない、けど……
本当に全部分からない訳じゃないのが、一番もどかしい。

こう言う時こそ、
一回落ち着く為にピアノでも弾きたい…
香織?
……ピアノ…か
一瞬チラついた風景。

私がモノクロの部屋のピアノに座って、
楽譜に注意点を書き込むところ。
香織?
…何で、今
桜が私の傍で彷徨く。
それを見て微笑んで、ノートにすらすらと優しくペンを動かす人。

確かに私は、この子を知っている…
香織?
…………
それが……フリアちゃん、なのだろう。
それは分かる。分かる…けど。
香織?
(どうにも、ピンと来ない…)




___唐突に、頭の中でピアノの音が響く

誰かの声と、私の声



アドバイスをくれた人。
聞こえないのに楽しんでくれた人。

でもあれは…フリアちゃんじゃない
誰か………。


香織?
…子供、みたいだったなぁ







麗鳳
麗鳳
___子供みたいって、誰が?
香織?
わっ!?麗鳳…!
香織?
な、何……急に…
麗鳳
麗鳳
何って、ただ様子見に来ただけだよw
麗鳳
麗鳳
そしたらちょっと、
悩んでそうだなーと思ったから
香織?
…誰の所為だと
麗鳳
麗鳳
ははっ。だってしょうがないんだよ?本当に
麗鳳
麗鳳
香織だって、思い出したら「話せない」って言うと思う
香織?
………ふぅん
麗鳳
麗鳳
それで?誰が子供みたいだって?
香織?
…フリアちゃんがね、私の演奏を聞いてくれたんだ。
楽しそうにピアノを見つめて、目を輝かせて…
香織?
子供みたいだった。凄く。



…でも。


香織?
でも、あの子は……フリアちゃんじゃない気がするの
麗鳳
麗鳳
…なるほどね


麗鳳
麗鳳
……ねえ、少し僕の話聞いてくれる?
香織?
?…うん、良いけど…
麗鳳
麗鳳
あのね。僕、タオイって言う人に、頼まれたことがあるんだ。
香織?
タオイ……?
麗鳳
麗鳳
うん。「仲良くしてやってくれ」って。
香織?
…仲良くって……誰と?
麗鳳
麗鳳
……名前は言えないかな
麗鳳
麗鳳
とっても優しくて、誰よりも皆の支えになってくれた。
裏で沢山、我慢してくれた。
麗鳳
麗鳳
そんな二人と、だよ
香織?
……
麗鳳
麗鳳
…その子達ね、楽器に興味があったんだ
麗鳳
麗鳳
だから___









響
「連れて行ってやってくれ」って、言われたよ
利純?
…聞こえないのに、楽器で楽しんでくれたの?
響
うん。すごく楽しそうだった。
響
特にピアノには、目を輝かせてた。
シンプルだけど見たことないってので惹かれたのかもね
利純?
…ピアノ………
___僕が覚えてることはもう一つある。
背中を摩ってくれた、女の子のこと。

最初はフリアかと思ったけど、違う様な気がした。

その子は、「喋っていた」から。



その子の、名前は……








『…わた、し、は』






『……ちあ、だよ。…り…じゅん、くん』










利純?
(……どんな子だった、かな)
もっと、思い出したい。




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