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第1話

プロローグ
1,117
2021/12/28 05:21







 呪術と個性。それらは一概に人を殺す事も出来る力であり、相対するものであった。

 古き歴史と練磨された強さを持つ呪術。『毒』とも言える力を持つ呪術師達は世を暗躍し、人々を擁護してきた。
 そんな呪術を影とするなら、光に位置するのは個性である。
 非術師の殆どが持つ先天的な超能力。中国の軽慶市で個性を持つ子供が誕生したのを皮切りに次々と『超常』が発見され、現代では力を活用したヒーローが世に根幹をなし名声を我が物にしている。

 『弱きを助け、強きを挫く』。
 同じ理念を持つ呪術師とヒーローの元、世界の平和が保たれていると言っても過言ではない。




 ────然し。光は影を知らないが、影は光を知っている。

 歴史と風習に拘り慮るおもんばか呪術師達にとって、素晴らしい人々だと賞賛されるヒーローは当然面白くなかった。呪術界でヒーローが自分達よりも弱く劣った存在だと卑しめる者も少なくはない。事実、呪術が個性より優れていることは既に実証されている。

 呪術を持つものは個性を宿さず、個性を持つものは呪術を宿さない。呪術師はヒーローになれず、ヒーローも呪術師になれない。


 これが世の均衡であり、調和である。










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