第7話

#6
555
2019/08/15 04:00
~薮side~
カメラマン
はい!撮影は以上です!
スタッフ
薮さんありがとうございましたー!
薮 宏太
ありがとうございましたー!
撮影が終わり、あの子がいたベンチに目をやると
あの子の姿はなかった。
《帰っちゃったのかな…》
少し寂しい気持ちになった。
薮 宏太
…ん?
ベンチの下に何かが落ちているのが分かる。
《なんだろ…》
近づいて手に取ってみると
薮 宏太
生徒手帳?
それは、あの子の顔写真が貼られている
生徒手帳だった。
《なんでここに…》
スタッフ
薮さん、移動お願いします
薮 宏太
あ、すみません!
生徒手帳をポッケに入れて車へと向かった。


~あなたside~
あなた

はぁ…はぁ

お母さんに鍵を渡して
ダッシュでさっきいた公園に戻ると
あなた

あ…れ…? ハァハァ

そこには薮くんの姿はなく
片付けをしているスタッフ数人だけだった。
《いない…終わっちゃったのかな…?》
じわっと涙が目に溜まるのが分かった。
あなた

っ……

《もう、会えないんだ…
もう、あんな近くで話せないんだ…》
気づいたら両頬に涙が伝っていた。






~薮side~
あれから約1ヶ月がたった。
未だにあの子に生徒手帳を返せていない。


今日はいたジャンの収録のため
メンバー全員揃っていた。
薮 宏太
はぁ…
いたジャンのジャージに着替え
楽屋のソファに寄りかかりながら天井に向けた
生徒手帳を見上げる。
中島 裕翔
なーにため息なんてついてるの?
俺の隣に勢いよく座ってきた裕翔。
薮 宏太
うわっ!
中島 裕翔
なーにそれ?生徒手帳?
俺が持っていた生徒手帳を覗いてくる。
薮 宏太
え、あ、いや、なんでもない!
中島 裕翔
え、絶対なんかあるじゃん笑
薮 宏太
なんもねーよ笑
中島 裕翔
見せてよー!
薮 宏太
やだっ!
背後から手を伸ばして
俺から生徒手帳を奪おうとしてくる裕翔。
中島 裕翔
見せてってばー!
薮 宏太
いーやーだー!
裕翔に気を取られてるうちに
スルッと俺の手元から生徒手帳が奪われた。
知念 侑李
ん?生徒手帳?
薮 宏太
あ!知念!返せ!
知念 侑李
だれ?この子
俺の言葉なんて無視して中をペラペラめくる。
中島 裕翔
俺も見たい!
薮 宏太
ちょっ!
有岡 大貴
なになに?なんの騒ぎ?
伊野尾 慧
可愛い子の写真でも見てんのー?
髙木雄也
えっ!俺も見たい!
八乙女 光
ふぁぁぁ。
騒がしくて起きちゃったじゃん…
山田 涼介
うるさくてゲームに集中できませーん!
あっという間に知念を囲むメンバー。
俺が入る隙間なんて1ミリもなかった。
薮 宏太
返s…
「えー可愛い!」
「誰この子!」
「タイプだわ!」
ギャーギャーギャーギャー凄くうるさい。
山田 涼介
なんで女子高生の生徒手帳がここにあるの?
髙木雄也
たしかに!
知念 侑李
なんかねー、宏太が持ってた
一斉に皆の視線が俺に集まった。
薮 宏太
え…
伊野尾 慧
もしかして…薮…
薮 宏太
な、なんだよ…笑
凄い剣幕で近づいてくる伊野尾。






すっごく嫌な予感…。

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