第12話

#11
507
2019/08/28 16:15
~まいside~
言われるがまま車に乗り込むと
さっき抱きしめられた時と同じ香りがした。
《薮くんの匂いだ…》
抱きしめられた時のことを思い出しで体が熱くなる。
あなた

////////

薮 宏太
どーかした?
後ろで優しく声をかてくれた薮くん。
あなた

い、いえ…///

何も無いように振る舞い、席に着いた。
薮 宏太
じゃあ、閉めるね
あなた

は、はい

バタンッと勢いよく閉められたドア。
《ん…? ちょっと待てよ…?》
《今座ってる所って…助手席…》
あなた

?!/////

《助手席に座ってるということは…
つまり…隣に薮くんが…》
これからのことを想像すると
心臓が激しく高鳴った。
《え…ど、どうしよう…///
なんで助手席に座ったんだろう///》
焦っていると運転席のドアが開いた。
あなた

っ/////

薮くんが車に乗った瞬間
ふわっと薮くんの香りに包まれる。
《ち、近い…///》
さっきは0cmの距離だったのに
さっきよりもドキドキしている自分がいる。
《意識しちゃってるからかな…///》
ドクンッドクンッと激しく高鳴る心臓を抑えて
落ち着かせようとするけど
一向に落ち着いてくれない。
《ど、どうしよう…///》
薮 宏太
…? どうかした?
あなた

え…!/// あ、いや、べ、別に…///

不思議そうな顔でこちらを見てる薮くん。
薮 宏太
あ、もしかして助手席やだった?
あなた

えっ

薮 宏太
ごめん。
嫌だったら後ろの席いってもいいよ?
あなた

え、あ、いや、だ、大丈夫です///

薮 宏太
ほんと? 無理してない?
あなた

全然!///

《隣がやなんじゃなくてドキドキしちゃうんだよ…》
薮 宏太
そっか。ならいいけど
少し心配そうな顔で答える薮くん。
薮 宏太
出発するよ?
あなた

はい! お願いします

エンジンがかかりゆっくりと走り出す車。
見慣れた景色が連なる。
お互い無言で、私は窓から外を覗いていた。
ふと薮くんの方を見るといつ着けたのか分からない
マスクとキャップを被っていた。
《あ、そっか、バレちゃいけないんだもんね》
この状況がバレたら、薮くんはもちろん
JUMPメンバーにも事務所にも迷惑がかかる。
それなのに甘えちゃってる自分が情けなかった。
考え事をしていたら
あっという間に家の前に着いた。
薮 宏太
着いたよ
《着いちゃった…》
これでさよならだと思うと
少し寂しい気持ちになってしまう。
あなた

あ、ありがとうございました!
すみません。送ってもらっちゃって…

薮 宏太
全然! 結構近かったし笑
ふにゃっと笑う薮くん。
その笑顔にどれだけ虜になったか。
あなた

っ/////

薮 宏太
早く帰りな。お家の人が心配するから
あなた

は、はい…

《やだ、やだよ
もうこれ以上会えないかもしれないのに》
薮 宏太
…? どうしたの?
下を向いている私に優しく声をかてくれた薮くん。





少しだけでいいから…




あなた

もう少しだけ……いても…良いですか?






もう少しだけいさせてください…。

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