第12話

act10
218
2020/10/06 10:59
あなたside



深澤辰哉
深澤辰哉
ここ注文来るの遅いからゆっくり話したんで大丈夫だよ。
戸山あなた
戸山あなた
うん。




何でこんなにも信用しちゃってんだろ

おかしい


でも、聞いて?
















戸山あなた
戸山あなた
ねぇ深澤さんは私のこといい子だって思う?
深澤辰哉
深澤辰哉
まぁね?
じゃないと惚れないっしょ
戸山あなた
戸山あなた
ふふっありがとう
でもね私ってさ全然いい子じゃないんだよね
そりゃ皆ゆってくれるよ?あなたちゃんは凄くいい子だって笑
だけどね?
深澤辰哉
深澤辰哉
うん。










深澤さんは何も突っ込まず聞いている。










戸山あなた
戸山あなた
でもそんなの全部嘘。










あの時もこの時も全部。













戸山あなた
戸山あなた
さっきさ失恋したっていったじゃん?
深澤辰哉
深澤辰哉
いったね
戸山あなた
戸山あなた
私がそいつと、いや阿部って言うんだけど
阿部と出会ったのが中学1年の時で
その頃の私まぁ簡単に言うと浮いてたんだわ
そんな時に阿部が私を闇のなかから救ってくれたの少女漫画みたいでしょ










そんなこと言うけど
深澤さんは相づちをうつだけ


きっと私はこれを求めてた。


聞いてくれるだけ


ただそれだけを











戸山あなた
戸山あなた
幸せだっただけどね
ある日それが変わった。





あの子ゆりが来た瞬間








ゆりのことは好きだ



だけどきづいちゃたんだ














戸山あなた
戸山あなた
私は阿部たちが大変だった時
阿部に漬け入るようなことした。
諦めないの?って
手助けだってしなかった
こないだまで








そう、こないだまで、









今まで誰にも話せなかったこと全てを話した。








2人が幸せになれる手がかりを早く渡さなかったこと。




ゆりの前でわざとらしく呼び捨てで読んでたこと。





阿部に気づいて貰いたくて芸能界に入ったこと。






応援してるなんていいながらほんとは
そんなことしたくなかったってこと。


















でも気づかなくてはならなかった。




ゆりには勝てないことを

















戸山あなた
戸山あなた
結局私は、悲劇のヒロインぶった
糞女なんだ






頬に冷たい感覚が走る。



最近よくなくなぁなんて思いながら


心にもないことを言う













戸山あなた
戸山あなた
こんな女無理でしょ?
今からでも遅くないからさっさと捨てて。

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