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HRは数原先生の挨拶だけで終わってしまった。
そして1限目は早速、片寄先生が数原先生の自己紹介&質問タイム?みたいな時間を作ってくれたみたい。
1限目の授業無くなるし、数原先生の事知れそうだし、これは片寄先生に感謝だな笑
1限目が始まってすぐ数原先生は自己紹介をしてくれた。
数原先生は筋トレと歌うことが好きで、休みの日とかはカラオケ、ジムに通っているらしい。
だから、あんなに筋肉がついてるのか…。
それなら納得。笑
由佳、ナイス!
それ私も凄い気になってたんだよね。
とりあえず、結婚してんのかな?
25歳だし、してるかもしれない…
数原先生の言葉を聞くとクラスのみんなにどっと笑いが起きる。
結婚もしてないし、彼女もいないんだね。数原先生は。
…ちょっと安心したなぁ。
ん?安心?
何で私安心してんだろ…
別に数原先生に恋してるわけでもないのに。
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その後も、どこ出身ですか〜とか、好きな歌は何ですか〜ってたわいもない質問ばかり飛び交っていた。
数原先生はどんな質問にも面白おかしく返していて、多分クラスのみんなからしたら好評だろう。
そんな質問ばかりしているとあっという間に時間は過ぎ、とうとう最後の質問へ。
この時ふと1つの質問が私の頭をよぎった。
何でこんな質問が浮かんだのかは自分でも分からないが、すんなりと自分の口からその質問が飛び出した。
今日の私はおかしいのかもしれない。
一緒に居て楽しい人か。
なんかありきたりだったなぁ〜。
あ、いや特に期待してたわけじゃないけどね?笑
それに、好きなタイプは人それぞれだし。。
その時、数原先生と一瞬目が合った。
何故かぎゅーっと胸が締め付けられるような感覚に陥る。
なんだろう、この感覚…っ。
数原先生とただ目が合っただけなのに胸が痛い。
私はそれに耐えきれず、咄嗟に目を逸らしてしまった。
もしかしたら変なふうに思われてしまったかもしれない。
あぁ、最悪だ…。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。