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あ、おんなじタイミング…。
先生と被っちゃった。
でも、今だけは私に先に言わせてください。
先生には早く謝りたいから。
先生だけには嫌われたくないよ…
冊子を作っていた手を止めて、頭を下げる。
先生はこんな私の事を許してくれるのだろうか。
そんな先生の言葉を聞いて思わず、
と聞き返してしまった。
だって私が思っていた反応と全然違ったから…
私は先生にこのまま嫌われてしまうんじゃないかと正直不安だった。
先生がそんなこと思ってたなんて全然知らなかった。
先生ってきっと本当に優しい人なんだね。
しかも、また話せるようになって嬉しいとか言われたらさ…私馬鹿だから期待しちゃうよ?
こんなに胸を締め付けられるのも数原先生と話しているときだけだし、ずっとこの感情を押し殺してきたけど、やっぱり無理みたい。
ねぇ、この想いをいつか先生に伝えられる日は来るのかな?
先生、好きです。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!