第19話

昔の私
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2021/03/11 01:49
岩本side





岩本「 辛かったな… 」


そういって隣に座るあなたの頭をなでる。


『 今日ね、仕事だって言ってたの 』


岩本「 うん、 」


『 だから少しでも力になれるように

朝ごはんも好きな食べ物でいっぱいにして、
、 』


岩本「 …うん 」


『 けど時間間違えたって食べずに出てっちゃって。

結局仕事じゃなくて、、他の人との

デートだったのかな、、笑 』


眉毛を八の字にしてすごく悲しそうに笑う。

俺は思わず抱きしめてしまう。


岩本「 …今日、泊まりなよ。

ジェシーより笑顔にするからさ 」


『 … 』


あなたは静かに俺から離れる。


『 …だめだよ、こういうの。

私にはジェシーがいるし、

岩本くんには好きでいてくれるファンの人が

いる 』


そう言って荷物を持って歩き出す。


『 ごめんね、ありがとう。

じゃあね 』


そういってでていく。

部屋にはドアの閉まる音が響く。

俺、何してんだろ…。



あなたside





優しくしてくれたけど絶対にダメだ。

2人で色んな人を裏切ることになる。

でも岩本くんのせいじゃない。

家に行った私の落ち度だ。

走って家まで帰る。涙が乾くように。

家にはジェシーが帰ってきていた。

SNSをあまりみない彼はきっとなにも

しらないのだろう。

笑顔で話しかけてくる。


「 おかえりっ!お疲れ様〜。

朝ごはん食べれなくてごめんね。

今からチンして食べるよ 」


そう言って冷蔵庫から朝ごはんを取り出す彼の

手から朝ごはんを奪う。

すると勢いが余ってお皿を落としてしまう。


「 え? 」


『 ごめん。食べなくていいから 』


「 ちょっとどういうこと? 」


『 危ないからどいて。掃除する 』


「 ねぇどうしたの。素手じゃ危ないから 」


何も知らないのは悪くない。

彼はきっと何もしてないからいつも通りなの。

彼はお母さんとは違うでしょ。

ちゃんと謝って私。

そう思えば思うほどなにかが切れていく。

お皿の破片を素手で片す私の手からは

血が出ていたけど痛くなかった。

心の方が痛かったから。

だからその血にも気づかなかった。

けど、ジェシーにとめられて気づく。


「 ちょ、血出てるからやめて 」


『 え?、、ほんとだ… 』


「 こんなになっちゃって、、

なにがあったの? 」


しゃがんで私の手を見てから私の目を見て

彼はゆっくり話す。

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