岩本side
岩本「 辛かったな… 」
そういって隣に座るあなたの頭をなでる。
『 今日ね、仕事だって言ってたの 』
岩本「 うん、 」
『 だから少しでも力になれるように
朝ごはんも好きな食べ物でいっぱいにして、
、 』
岩本「 …うん 」
『 けど時間間違えたって食べずに出てっちゃって。
結局仕事じゃなくて、、他の人との
デートだったのかな、、笑 』
眉毛を八の字にしてすごく悲しそうに笑う。
俺は思わず抱きしめてしまう。
岩本「 …今日、泊まりなよ。
ジェシーより笑顔にするからさ 」
『 … 』
あなたは静かに俺から離れる。
『 …だめだよ、こういうの。
私にはジェシーがいるし、
岩本くんには好きでいてくれるファンの人が
いる 』
そう言って荷物を持って歩き出す。
『 ごめんね、ありがとう。
じゃあね 』
そういってでていく。
部屋にはドアの閉まる音が響く。
俺、何してんだろ…。
あなたside
優しくしてくれたけど絶対にダメだ。
2人で色んな人を裏切ることになる。
でも岩本くんのせいじゃない。
家に行った私の落ち度だ。
走って家まで帰る。涙が乾くように。
家にはジェシーが帰ってきていた。
SNSをあまりみない彼はきっとなにも
しらないのだろう。
笑顔で話しかけてくる。
「 おかえりっ!お疲れ様〜。
朝ごはん食べれなくてごめんね。
今からチンして食べるよ 」
そう言って冷蔵庫から朝ごはんを取り出す彼の
手から朝ごはんを奪う。
すると勢いが余ってお皿を落としてしまう。
「 え? 」
『 ごめん。食べなくていいから 』
「 ちょっとどういうこと? 」
『 危ないからどいて。掃除する 』
「 ねぇどうしたの。素手じゃ危ないから 」
何も知らないのは悪くない。
彼はきっと何もしてないからいつも通りなの。
彼はお母さんとは違うでしょ。
ちゃんと謝って私。
そう思えば思うほどなにかが切れていく。
お皿の破片を素手で片す私の手からは
血が出ていたけど痛くなかった。
心の方が痛かったから。
だからその血にも気づかなかった。
けど、ジェシーにとめられて気づく。
「 ちょ、血出てるからやめて 」
『 え?、、ほんとだ… 』
「 こんなになっちゃって、、
なにがあったの? 」
しゃがんで私の手を見てから私の目を見て
彼はゆっくり話す。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。