あなたside
あれからジェシーくんは驚くほど元気になって
お店にもまた顔を出してくれるようになった。
ー10月ー
『 いらっしゃいませ、何名様でしょうか? 』
「 6人!全員で来たよ! 」
田中「 うわ、ほんとに美人じゃん 」
髙地「 久しぶりーっ覚えてる? 」
京本「 ジェシーセンスいいじゃん 」
森本「 きょもめっちゃ上から笑笑 」
松村「 ちょ、困ってるからやめたげて笑 」
『 んんっ、ご注文がお決まりになられましたら
お呼びください 』
6人揃うだけですごい賑やかだなぁ…。
なんかここが居酒屋に見えてくる(
「 あなたちゃーんちょっと来て話そうよ 」
『 え、でも… 』
店長「 ちょうど一段落したし行っておいで 」
『 っ…!ありがとうございます 』
店長はいつもの私たちを見て何かを察したのか
笑顔でそう言うと奥へ入っていく。
『 えっと、お久しぶりです…と初めまして 』
田中「 俺田中樹、連絡先交換しない? 」
『 え、やです 』
松村「 ははっ笑即答じゃん 」
「 あなたちゃんは俺としかしないのー 」
『 あーでも、私松村さんとは交換しましたね 』
ジェシー・田中「 えっ?! 」
松村「 あー、したね。こないだね 」
「 こないだっていつ?! 」
『 こないだお店来てくれた時だけど? 』
松村「 そうそう、普通に来たらたまたま
バイトのシフト臨時で入ってたんだよね 」
『 それでおすすめのお店お互いに知りたくて 』
松村「 そうそう。あ、こないだのサイズ合ってた? 」
『 はい、それでめっっちゃかわいかったです 』
私たちはジェシーくんが不服そうになっていくのを
みながらわざと仲良いアピールをしてみる。
松村さんの顔はほんとに意地悪な子供って感じで
無邪気だった。
「 いいもん、俺こーちいるし 」
『 そっか。じゃあ松村さん、こないだの
古着屋巡りやっぱり行くよ 』
松村「 おっけ、じゃあ今週の土曜とかどう? 」
『 あ、ちょうど空いてるよ 』
するとジェシーくんは子供のように
頬をふくらませる。
『 ジェシーくんってほんとに面白いよね 』
「 え? 」
『 冗談だよ、今度の土曜日は一緒に
出かけるんでしょ? 』
そういうとぱあっと笑顔輝かせるジェシーくん。
「 いくっ!!!やったあああ! 」
松村「 やれやれだな笑 」
京本「 え、どういうこと? 」←
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!