第2話

なんだが気になってしまう
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2021/03/01 16:20
あなたside





…最近あのお客さん来ないな。

忙しい、、とか?

って何考えてるんだ私!

仕事に集中しないと…。


カランカラン


『 いらっしゃいまs… 』


「 1人ですっ 」


そこには全力で笑うあの人がいた。

帽子にマスク、と怪しげな格好をしている。


『 いらっしゃいませ、注文がお決まりに

なられましたらお呼びください。

失礼します 』


「 あっ!…のっ… 」


『 はい、お決まりでしたら伺います 』


「 じゃなくて、俺のこと覚えてる? 」


『 …すみませんが私語は控えさせて

いただいておりますので、では 』


はぁー、、びっくりした。

なんかあの人心臓に悪い、、

見ただけで笑顔になりそうで怖い。

私は笑わない。笑っちゃいけない人だから。



「 すみませーん 」


『 はい 』


「 これとこれで 」


『 かしこまりました。

ごゆっくりお過ごしください 』


「 あのっ、、 」


『 …今度はなんですか 』


「 俺…待ってるから…さ、仕事終わったら

あってほしい 」


『 検討はしときます… 』


「 ほんとに?!よっしゃああああ 」


『 店内ではお静かにお願いします、、 』


「 はーいっ笑 」


この人はなんて無邪気に笑うのだろう。

きっと、なんの苦労もしてないんだろうな、、

なんて思いながらできたものを運ぶ。


『 お待たせ致しました。…と…です。
ゆっくりお過ごしくださいませ 』


彼が頼んだのは甘いケーキとほろ苦いコーヒー。

まるで私たちみたい

いやいや何言ってるの自分、ちゃんと自分をもて。



『 お疲れ様でした、お先です 』


店長「 はーい、お疲れ様 」


仕事が終わった。

今日はいつもより遅くて疲れた気がする、、

うわ、もう22:00すぎてるじゃん。


『 さすがにあの人いるわけない…よね? 』


そう思いながら万が一のことを考えて

その人が渡してきた住所に行く。


『 え、、なんでいるんですか 』


「 ん、、?あ、店員さん!!! 」


『 っばかじゃないですか?!

なんで待ってるんですか、こんなにも

冷えてっ…! 』


私は彼がずっと握っていた手に触れる。

すごく冷たかった。

こんなに長い間夜の外にいたんだ、当たり前だろう。


『 こうでもしないと店員さんと話せない

でしょ?笑 俺待つの得意だからさっ 』


『 ……うち、来てください 』


「 、、へ? 」


『 風邪、ひかれると困るので。

来ないんですか、行きますよ? 』


私はわざと振り返らずにスタスタと歩いていく。

そう、この時はこの人がどんな人かなんて

知らなかったから。

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