あなたside
「 ねー、嫌いなものとかある? 」
『 んー、、特には? 』
「 じゃあ焼肉食べに行こ! 」
『 お、賛成 』
「 へへへ〜 」
『 どしたの急にそんな笑い方して 』
「 いや、なーんもっ 」
『 ふーん、そっか 』
ジェシーくんってたまに疎いよね。
私これでもお洒落してきたんだけどなぁ…。
ま、別に好きとかじゃないから気づかれなくても
いいんだけどねっ。
「 ついたー! 」
『 わ、いい匂いする 』
「 何食べる? 」
『 んー、これ食べたいっ 』
「 えーっ!俺と一緒じゃん!AHAHA!
すいませーん! 」
声ほんとにでかい。
個室でもバレるよね、これは。
「 ねー? 」
『 ん? 』
「 24日空いてる? 」
『 え、クリスマスイブ? 』
「 うんうん 」
そう言われたので携帯を取りだして確認する。
『 お、ギリギリ空いてる。25はバイトだった 』
「 じゃあデート…しよっ 」
『 ん、いいよ 』
私があまりにさらっというから驚いたのだろう、
食べようとしていたお肉を落とす。
『 ジェシーくん落ちてる落ちてる 』
「 あ、ほんとだ、、 てかほんとにいいの? 」
『 うん、そっちこそクリスマスライブ的なのは
ないの? 』
「 うん、俺も25だけだよ 」
『 そっかそっかちょうど良かったんだね 』
「 … 」
急に黙り込んで眉毛を8の字にしている
ジェシーくん。
いつもと違う雰囲気にちょっと戸惑う。
『 体調悪い? 』
「 え?あ、、いや。ただ、それが多分
会うの最後なんだよなぁーって思ったら
寂しくなっちゃった笑 」
そうやって笑う君はやっぱり悲しそうで。
ずるいな、そんな顔されたら私までそう思えてくる。
けどそれは口には出さなかった。
「 ねぇ、 」
『 今度は改まってどうしたの? 』
「 最後のデートは素敵にしたいからさ、
こういう話は今したいんだけど、、 」
私はすぐに察した。
きっと私の過去のことなのだろう。
前までは誰にも話したくなかった。
けど、この人になら話していいと思った。
きっと会えなくなるからいいとかじゃなくて
この人になら と思った。
『 私の過去の話だよね?いいよ、話そっか 』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。