第6話

秋 いちのに
1,394
2021/03/04 18:53
あなたside





「 げほっ…誰ですか? 」


インターホン越しでもわかるしんどそうな声…。


『 あなた…です、、 』


というと切り忘れたインターホンから

ドタドタという音がしてドアが勢いよく開く。


『 お見舞いきたけど、迷惑だったりする? 』


「 いや、むしろ嬉しい!けど、なんでここが? 」


『 …とりあえず悪化したらあれだから中入ってから

話そっか 』


そういって私は彼を支えながらリビングに行く。


『 苦手物とかアレルギーってある? 』


「 いや、ないけど…げほげほっ 」


『 じゃあ台所借りるね。寝てねいいからね 』


「 …ありがと 」


彼のその言葉を聞いて私は髪を束ねて作り出す。

薄味のがいいよね…塩分は梅干しでとろう。



『 よし、完成かな 』


「 、、いい匂いがする 」


『 めちゃめちゃいいタイミングで起きるね 』


「 あなたの料理初めて食べるなぁっ 」


『 しんどいだろうから私が食べさせるね 』


「 え、でもっ、、」


『 病人は看病人の言うことを黙って聞く! 』


「 はい、、笑 」


『 はい、あーん 』


「 んっ、、 」


『 熱い?大丈夫? 』


「 んーまいっ 」


そういうと彼は子供のような微笑み方をする。

食欲はあるみたいで全部食べてくれた。

氷枕しいたり冷えピタを貼ってジェシーくんと

話をする。


『 ここにきたのは松村さんのおかげだよ 』


「 え?北斗が? 」


『 そう、教えてくれたの 』


面倒くさそうだからジェシーくんの話を

聞いたことは内緒にしておこう。


『 ジェシーくんってほんとにみんなに

愛されてるよね 』


「 そう、かな、、。そういえば、俺あなたの

話聞きたいな… 」


『 …また話せる時が来たら話すよ 』


「 そっかぁー。でも、それでも俺は

そばに居るからねっ 」


とろんとした目で見つめながらそういうと

私に寄りかかってくる。


『 え、ちょっと? 』


「 ごめん、今はこれが一番楽みたい 」


『 今日だけだからね?、 』


そういうとジェシーくんはすぐに眠りについた。

私はしっかり寝れてるのを確認して

氷枕と冷えピタを新しいのに変えて

家を出た。


『 早く元気になって、店に顔出てよね… 』

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