あなたside
『 えっと、、まず名前は? 』
「 ジェシー!ルイス・まさや・ジェシーって
いうの! 」
『 えーっとー、、 』
「 みんなからはジェシーって呼ばれてるけど
あなたならまさやくんでも! 」
『 …また考えておきますね 』
「 あなたは? 」
『 あなたです 』
「 えっと、苗字は? 」
『 ないです 』
「 え?でも 『 ないです 』
「 そっか、、 」
『 …すいません、テレビでも見ましょう 』
「 ん、、わかった 」
彼は時計を確認すると少し曖昧な返事をした。
私は特には気にせずにテレビをつけた。
すると、そこには、、
『 え、ジェシー…さん? 』
「 ばれちゃったかっ 」
『 説明してください、、 』
話を聞くと彼はジャニーズのSixTONESっていう
グループに所属しているらしい。
黙っていたのはありのままの自分を知って
欲しかったからと言っていた。
『 もー、どうするんですか。週刊誌なんかに
でちゃったりしたら… 』
「 ごめんなさい… 」
あの明るかった彼は子犬のようにしゅんとする。
そんなの見たら帰そうにも帰せない…。
『 謝らないでください。これは私の
無知さにも責任があります。
とりあえずもう会わないようにしましょう 』
「 そんなのやだよっ 」
『 でも、、 「 おねがい、1年!いや半年でもいいから!、、 」
『 だめです、その間に見つかったら… 』
「 絶対大丈夫なようにするし、なにかあったら
俺だけ責任取るから! 」
『 …じゃあ半年だけですよ 』
「 よっしゃ!」
『 でも、責任はあなただけが負わないでください 』
「 、、わかった。その間に絶対にもっと会いたい
って思わせてみせるから! 」
彼は顔をクシャクシャにして笑う。
めんどくさいことになったけど、
なんか楽しそうな気もするな、、なんて
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。