第37話

雷と彼女と
965
2021/03/25 02:14
ジェシーside

『 じぇしぃいいいい 』


「 分かったから笑 」


あれから彼女は俺にめちゃくちゃ甘えてくるように

なった。

デレ期なのかな笑


『 お仕事いっちゃうの?私休みだよ? 』


「 すぐ帰ってくるって笑 」


『 …やっぱり行かないで 』


「 なんで今日そんなに甘えてくるの笑 」


『 甘えてはない、けど… 』


「 まあ、遅刻しちゃうから行ってくるね 」


『 行ってらっしゃい、、 』


あなたがあんまりにテンションが下がっていた

のが頭から離れないから俺はまた家に戻って


『 え、ジェシー? 』


「 忘れ物っ! じゃあ行ってきます! 」


と言って強く抱き締めてから家を出た。



仕事が終わって早く家に帰ろうとした。


すると大雨が。雷まで鳴っている。


「 …とりあえず帰るか 」


待つ選択肢もあったけど朝のあなたのことから

早く帰ることにした。


「 ただいまー 」


いつもならすぐに迎えに来るのに来ない。

それどころか電気がついてない、

俺は嫌な予感がしてリビングに走る。


「 あなたっ? 」


そしたら隅で蹲っているあなたがいた。


「 どうしたの?!大丈夫? 」


『 じぇしぃ、、 』


あなたは今にも泣きそうな声をして

俺に抱きついてきた。


「 なーに、ほんとにどしたの 」


『 私ね、雷恐怖症なの…

ちっちゃい頃からなんかずっとこうで… 』


あなたの口からその言葉を初めて聞いた。

これまでずっと我慢してきたのかな?、

だから朝あんなに行かせたくなかったの?

聞きたいことは山ほどあった。

けど今はとりあえず


「 大丈夫だよ、大丈夫 」


と言って彼女を抱き締めた。


「 ごめんね、怖かったね 」


『 ジェシーが帰ってきてくれたからもう大丈夫、 』


と言って俺の胸に蹲っていた彼女の顔が上がり

いつもみたいな笑顔を見せる。

強くてかっこいいあなたでもこういうところが

あるんだなぁなんて考えたらまた好きになった。



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