あなたside
目が覚めたら家のソファだった。
隣には愛おしい彼の姿。
そっと頭を人撫ですると手を掴み目を開ける。
「 起きた? 」
『 うん…起こしちゃった? 』
「 ううん。あのさ、俺にも謝らせて 」
『 え、なんでっ… 』
「 俺かまあんなこと言ってあの場所に
行かせたから始まったじゃん…。
結局また悪い思い出増やしちゃったし、、 」
『 、、そんなことないよ。むしろいい
思い出ができたもん』
「 え? 」
『 あの時に言ってくれた言葉。
その場しのぎの言葉かもしれないけど
すっごく嬉しかったし、かっこよかったよ 』
「 あなた、、 」
その夜は2人で抱きしめあって眠った。
お互いの温もりを感じながら。
安心しながら。
ジェシーside
その後俺は事務所に、彼女は警察署に何回か
呼ばれた。
俺は彼女を助けるためだということで
罪には問われなかった。
だけど、事務所に彼女がいること正式にがバレた。
公表することはないけどこれからもっと気を
つけるように、と厳重注意をされた。
そのあと2人でお兄ちゃんのお墓参りをしたり
あなたが心配だった俺は送り迎えを毎日した。
あなたはあれからあの時の夢は見ないらしい。
最近彼女の寝顔はとても幸せそうな笑顔だ。
あの時の行動が正しかったのか正しくなかったのか
それはまだわかっていないけど彼女が
幸せならそれでいい、そう思った。
俺は思ったより彼女のことが大好きみたいだ笑
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。