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第61話

➠ 60




















あたしは侑を追って家を出た

侑はあたしに気付いて止まってくれたけど

振り返った侑はもう限界だという顔をしていた

そんな侑の気持ちに寄り添うように

あたしは無言で侑の手を握った

侑はあたしの手を握りながら

街を一望できる高台へと連れてきた















侑:……寒ない?




あなた:大丈夫だよ




侑:嘘やん。寒いやろ















侑はそう言って

自分の着ていたパーカーをあたしに着せてくれた


















あなた:ありがとう……




侑:………おん



















あたしが微笑みながらそう言うと

侑も一緒に微笑んでくれた















あなた:………綺麗だね




侑:……せやな



















あたし達は自分達の住む街を眺めていた

いつも見ている街のはずなのに

ここから見る景色は____まるで知らない街だった



















侑:俺さ,初めて両親が離婚したのが小学生の頃やったから,あん時は何が何だかわからんかったんよ




あなた:え………?




侑:始めはただ別れて暮らすだけなんやと思っとった。でも歳をとるにつれて_____離婚の意味を知ったんや





















" もう会えないんやって………気付いたんや "

侑はあたしの手を握ったままそう話した





















侑:せやから俺は絶対にええ人見つけて,絶対に幸せになったろうって思ってん




あなた:え………?




侑:ちゃんと愛し合える……ええ嫁さん捕まえるんやって……決めてたんよ


















侑は街を見ながら

眉を下げて微笑んでいた


















侑:やっと……出会えたと思ったのに




あなた:え………




侑:やっと……愛せる人と出会えたのに……一緒になる事は許されんかった























あたしも侑も

お互いが______初恋の相手だった























あなた:あ………明けてきたね























夜が明けてきた

だいぶ長い間此処にいたんだ

みんな心配してるかな




















侑:………なぁ




あなた:………?




侑:俺,あなたのことが好きや




あなた:え………?




















侑は真剣な顔で

あたしの目を見ながらそう言った




















侑:俺はあなたと兄妹やなんて認めたくない




あなた:え………




侑:ずっとずっと……あなたの傍にいたい。やから____




























『 俺と駆け落ちせぇへん? 』





























侑:あなたもまだ俺の事が好きなら……この手を取って欲しい



















侑は握っていたあたしの手を離すと

あたしに手を差し伸べた

























侑の事は好き

これからもずっと一緒にいたいと思う

______だけど























侑:………すまん




あなた:え………?




侑:あなたはこないなこと……望んどらんよな?





















あたしが答えを出す前に

侑は手を下げてそう言った
























侑:あなたは自分の欲求よりも……周りの幸せを願う奴やもんな




あなた:え………?






















気付いていたの______?

























侑:困らせるようなこと言ってすまん




あなた:え………?




侑:それから……




























『 今まで一人で頑張らせてごめんな。』

























侑:あなたの努力がなかったら……俺達は今こうして話すことも許されとらんかったかもしれん




あなた:………!




侑:せやから………ありがとな




















侑は眉を下げて微笑みながらそう言ってくれた























侑:もう……あなた一人に頑張らせんよ




あなた:え………?




侑:あなたが俺らの幸せを優先するのはもう終わりや




あなた:………?




侑:………あなた






















『 みんなが幸せになれる" 鍵 "を

みんなで探していこうや____。』



























あたし一人が犠牲になれば

みんなは幸せになれると思っていた

みんなが幸せになる為の鍵を

あたしは一人で探していた

けど侑は

" みんなが幸せになれる鍵を探そう "

そう______言ってくれた



























侑:あなた




あなた:………?




侑:ちゃんと決着……つけるか


















決着______?

























侑:あなた




あなた:………?




侑:今までほんまにありがとう























『 大好きやで______。』
























ちゃんと別れた訳ではなかった

勝手に引き剥がされて

何となく" 兄妹 "を過ごしていた

だから______お互い忘れられなかったんだ

























あなた:侑




侑:………?


























『 大好きだったよ______。』



























あたしがそう言うと侑は静かに涙を流した

侑________
























" ありがとう________ "