第6話

伍 冨岡義勇―壱
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2021/02/01 04:54
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
珍しいですね。
冨岡さんが、自分から行動するなんて。
女の人は私の顔を覗き込んできた。

本当に、綺麗な顔をしていた。

私がその人に見惚れていると…
冨岡義勇
冨岡義勇
俺が助けたかっただけだ。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
そうですか。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
名乗るのを忘れていました。
私は、胡蝶しのぶです。
冨岡義勇
冨岡義勇
俺は、冨岡義勇だ。
あなた

あ、えと…私は、皐月あなたです!

私は慌てて名前を言った。

胡蝶さんが、ニコッと笑う。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
あなたさんですか。
可愛いらしい名前ですね!
ね、冨岡さん!
冨岡義勇
冨岡義勇
あ、ああ…//
冨岡さんは、胡蝶さんに話しかけられ、戸惑っているのか、曖昧な返事を返していた。

さっきまでの出来事が嘘のように思えてきた。

私は目を瞑ると、そのまま寝てしまった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あなた

…………ん、ううん…

目を開けると、目の前に冨岡さんがいた。
あなた

あ…

思わず言葉に詰まる。

背負ってもらった上、そのまま寝ていたことに気づく。
あなた

す、すみません!!!

冨岡義勇
冨岡義勇
…?
あなた

あの…背負ってもらった上に、寝てしまって…

あなた

ここまで、運んでもらって……その………

冨岡義勇
冨岡義勇
ああ…大丈夫だ。
つづく……

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