氷の妖精達が住処にする霧の湖。
そんな妖精達の住処、霧の湖の近くに聳え立つ紅い屋敷。
______私はその屋敷…紅魔館の一室に居た隙間妖怪へと視線を送っていた。
何故か、この隙間妖怪は私の部屋のベッドに寝転んでいた。しかも、自分の家で寛ぐような、そんな時と同じ様に。
…紅魔館で何してるんだ、って言いたい所にぐっ、と抑えて隙間妖怪に言う。
…はぁ?
どう言う事?と言うか異変なら霊夢か魔理沙に頼めば良いのに。態々私に頼むって…
うわ、霊夢かわいそ…
ま、この隙間妖怪は日頃からの行いが悪過ぎるから…
と言うかそれなりに実力はあるんだから、自分で異変解決しに行けばいいじゃんか。
…忙しいとは思えない。
そう言えば、私達が気付かないほどの異変って何?咲夜だって時々買い出しに人里へ行ってるんだから、人里での会話はある程度は知ってると思うんだけど…
流石にお姉様に言わないって事は無いでしょ?だって私達に被害が行きそうなら普通、言うと思うし。
美鈴だって、そう。門番してるんだったら妖精達の会話も聞こえてると思うけども。
その時、フランが私の部屋のドアを思いっきりぶち壊して入ってきた。私は入って直ぐに隙間妖怪がベッドに居るのに気付いてドアの所の近くだったから…フランが突進して来たの、諸に当たる…
地味に痛い。
…早くこの隙間妖怪追い出したいんだけどなぁ…あ、でもそしたらまた隙間を通して来るし、無理やり異変解決させられそうだからやめとこ。
この異変解決、フランに押し付けても良いけどね。
だってこの前私のクッキー食べたんだもん!!
私達が喋っている時、この隙間妖怪がにやり、と笑っていたのは気付かないまま。
そして、隙間妖怪は片手で扇子をばっ、と広げて口元を隠す。そんな隙間妖怪のした事には気にする事は無かった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。