ザワザワと桜の木が風に揺れる
みんなお揃いの服を着て
たくさんの人が拍手してる
私は、今日卒業式だと実感が湧かない。
すると、頭の中に映像が流れた
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これは…始業式の日だ。
みんな、微妙な反応をしている。
それもそうだ。
リナ先生というのは、怖いと有名な女の先生。
私達は、不安を抱えながら時間を過ごした。
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始業式から、1か月後のこと。
イユナがピリピリしていた。
私達は、怖くて何も言えないまま、だんまりとしていた。
先生が話かけてくれても、笑顔で返せなかった。
そしたら、いきなり、
ドンッ!!!
すごい音がした。
何かと思うと、先生机を蹴ってこっちを見ていた。
私達は、
シーーーン
と、静まり返った。
すると、先生が、
と、大きな声で言った。
しっかりと向き合って怒ってくれたのは、リナ先生が初めてだった。
なぜか分からないが全員が涙を流した。
素直になれない私達の胸にもぐさっとこの言葉がささった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!