今私は、
お風呂を上がり
ソファで大好きな韓ドラを見る
さっきの女には
帰ってもらった
それにしても、ビビってたなぁ。
ビビるくらいなら来るなっつーの
今グクは、シャワー中
上半身裸のまま
私の座るソファの横に座ってきて
頬をつんつんしてくる。
は、?怒るでしょ
あんな光景見たら。
グクの裸を見るだけて
さっきの出来事を思い出して吐き気がした
それに、他の女からつけられた
キスマークがグクの裸のあちらこちらに
付いていた
よくも彼女の前で堂々と見せられるな。
だから私は、わざと聞いてみる
喧嘩越しに言うと
またグクはニコッと笑う
いや、そんなの分かるわ。
ニヤリッ
言われた瞬間
怒りでどうにかなりそうだった
私は、グクだから
初めてをあげようと決心した
それに、グクは
“あなたの初めてをくれてありがとう”
そう言って優しくしてくれたのに。
あの言葉は嘘だったの──?
思いっきり
枕を投げつけて
スマホだけを手に取って
家を出た
ガチャンッ
.
──
最悪
グクがあんな人だったなんて…。
好きだったのに。
大好きだったのに。
人混みに紛れながら、
とぼとぼと歩き出した
ドンッ
誰かの胸にぶつかってしまった…
なんだろうこの人。
前ぶつかった人と同じで
懐かしい匂いがする…
私は泣き顔を見られたくなくて
下を向いたまま
また歩きだそうとすると
ぶつかってしまった男の人に
腕を掴まれた。
男の人は、
真っ直ぐ私を見つめてきた
とても、カッコイイ…
でもどこか面影があった。
その男の人は
私の悲しい心を癒してくれるように
ニヒヒッと四角い口で笑った
その相手は
ユンギともう1人の幼馴染であり
私の初恋の相手
テヒョンだった──
ギュッ
彼は
キツく私を包み込んだ
こんな都会のど真ん中で堂々と…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。