ゆんぎstory.
今じゃ過ぎたことだから ” 守ってやれなくて ” ごめん。
これしか言えない。
高校1年に入って、新しい妹ができた。
そう、義理の妹。
俺の家系は はっきり言って金持ちな家系であって
俺の兄が跡継ぎになってるんだけど、結婚相手の妹がこの家に来たんだ。
もちろん、兄の愛している人ではない。
まぁ、いわゆる 制約結婚 みたいなやつ。
んで、その妹、俺と同い年みたいで
クラスは違うけれど 同じ学校にいた。
家に帰ると すぐに勉強に行って
俺とは大違いの真面目な子で
正直 凄いと思った。
俺もああなりたいって
気づいたら 足が勝手に動いてて
あいつの隣にいつもいた。
だけど 事件は起こった。
俺はいつも通りに 学校で音楽を聞いていた。
すると いきなり耳をつんざくような悲鳴
みんな その様を見に行ったようだったからとりあえず俺も行く。
そこにあったのは 倒れている 俺の妹 と それを上から見ている 男。
どうやら、妹がその男の告白を断ったみたいだ。
妹の方に 意識はない。
先程の悲鳴はこれか………
そう、妹の方には ハサミがお腹に刺さっていて 白い制服が真っ赤に変わる。
男の方はどうやら パニック状態で ただただ泣き叫んでいた。
こんなに酷いものは見たことがなかった16の時の俺。
また 勝手に、いや、無意識に行動に出る俺。
気づいたら 俺の拳には真っ赤な液体がついていて
俺もみんなから恐れられる存在になった。
それからだった。
妹の死亡が確認された。
原因は 大量出血 らしい。
俺はそれから
俺という人間を自分の手で殺した ___ .
ゆんぎstory end.
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。