僕に気になる人ができた__
その子の特徴をいってみるとすごく難しいんだけど、その子の笑った時にできるえくぼが可愛くて仕方が無いんだ。
そんでその子、僕にこういったんだ。
“運命っていると思う___?“
僕は運命なんて……
こんな消極的な考えしかなかったのだけれどこの時の僕には口の歯止めが効かないように
“僕の運命は君だ“なんて言ってしまったんだ。
このセリフには自分でもびっくりした。
だって普段の僕は照れくさくて言わないような言葉だったから。
でも、その子は僕の言葉を受け取ってから少しだけ笑って
“私もよ“
なんて言って僕の頬に手をのばした。
その手はどこか不自然で冷たさもあったのに
その時の僕は知らないまま
恋に落ちた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!