第20話

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2020/10/12 10:16






























.
jian
  早く離せよ!!  





ジアンは私から離れようと、もがく




それでも私はジアンの腕を掴んで離さない









jian
  …っ、なんなのよ!  





バッ









ついに、ジアンの腕は私の手から離れてしまった









その瞬間、ぽつぽつと空から雨が落ちてくる




















jian
  私はテヒョン君が好きなのに!  










そう叫ぶジアンの顔は向こうを向いていて、




私からは見えない









jian
  それに!!もう嫌われ者の
あんたと一緒にいたくないの!




.
jian
  だから一生私に話しかけないで  





静かにそう言い残して、ジアンは走って行った




私は、ただその場で立ち尽くす
























いつの間にか、雨が強くなっていた




気づいた時には、土砂降りで









温かいものが、頬を伝い

空から落ちる冷たい雨と、自分の涙が混じる









誰も居なくなった体育倉庫の前で、




ただひたすら、声の無い悲鳴をあげた









息が出来ているのかどうかも分からない程

雨に息の音を掻き消されて









空が私と一緒に泣いてくれているような気がした





























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