第8話

story
495
2018/07/12 09:57
ードキドキドキドキ。




高鳴る胸をギュッと押さえる。
どうしよう。



今、私完全に…



これは…




バックハグされてる!!!



漫画の萌えシチュエーションでよくあるよね


こういうの。



見る側は楽しくて楽しくて仕方ないけど



実際されてみると心臓がおかしいほど


鳴り響いてる。


破裂しちゃうんじゃないかってくらい。

??
もう大丈夫だよ
ゆっくりと私の首に巻かれていた腕が



ほどかれて、慌てて後ろを振り向いた。
雪白 七海(ゆきしろ ななみ)
あ、ありがとうございました!
助かりました
ペコペコとお辞儀をすると、


彼はニコッと笑って
??
全然大丈夫だよ
優しくそう言った。
??
じゃあ、俺はこれで
気を付けて
軽くお辞儀をしてから


私に背を向けて歩き出した彼の後ろ姿に


目が釘付けになる。
…かっこよかったなぁ。




サラッと助けてくれて。



あんな男の人に守ってもらったことなんて


生まれて初めて。



制服着てたけど


どこかの学生さんなのかな?


あ、サングラスもつけてたな。


でもサングラスって…


ちょっとチャラい人なのかな?


いやでも、そんな感じには見えなかったなぁ。
あぁ、どうしよう。


完全に目を離すタイミング逃したなぁ。


こりゃ、


早く私から見えない所まで行ってもらわなきゃ。
なーんて思いながら遠ざかっていく彼の


背中をじーっと見つめていると


ふいに、


彼が足を止めてクルッと私の方へ向きなおった。

…ん!?!?
??
…ちょっと時間あったりする?
雪白 七海(ゆきしろ ななみ)
…え…?…はい特に何も
??
そっか。良かった。
じゃあちょっと付き合ってもらっていいかな?
雪白 七海(ゆきしろ ななみ)
…へっ?

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