ゆっくり午後をすごしていたら
ピコンと携帯の通知音が鳴った
蓮「髙地優吾って?」
それを横から覗く
「バイト先の店長さんだよ」
トークを開くと
来週からの出勤日が書いてあった
蓮「ふーん。」
よく見ると
ラウちゃんの文化祭の日と
その前後の日がお休みになっていた
髙地さん曰く
『前日は準備を、当日は楽しんで、その次の日はしっかり休んでね』
とのこと
蓮「文化祭の日休みじゃん」
蓮もそれを見て嬉しそうに言葉にした
蓮「ちゃんと迎えに来るから」
「出てこなかったらどうする?」
蓮「ドアこじ開ける」
「怖いなぁ」
樹に鍵をもうひとつつくってって言わなきゃ
なんて考えて少しだけ頬が緩んだ
やっと普通の人生が送れる気がする
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。