私が携帯を指さすと
すぐに確認する蓮
「待ってるね」
それだけ言って席を立った
お会計を蓮の分まで済ませて
お店を出た
家まで走った
ドキドキ高鳴る心臓を隠すために
急いで家に入ると
樹が座って待っていた
樹「おかえりー」
「た、ただいま・・・」
樹「なんでそんな息切れしてんの」
「ちょっとね」
冷蔵庫から水を出して
喉を潤す
樹「ちょっと何」
嬉しそうに聞いてくる樹
あー、バレてんだろうなって思った
「なんでもないよ!髙地さんのとこ受かった。ありがとね」
樹「お、やっぱ?よかったよかった。じゃ、またね」
携帯をチラ見して帰る支度をする樹
毎回仕事の合間を縫って来てくれてるんだって
ほくから聞いちゃった
「いつもありがとう」
樹「はいはい」
バタンとドアが閉まってから私は窓の前に移動した
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。