そっと寝室のドアを開けると
私のベットで蓮が寝息をたてていた
ひとりぼっちになった気でいて
毎日泣いていた部屋に大好きな人が寝ているだけで
その部屋が幸せで溢れた
そのまま開けっ放しにして
私は冷蔵庫を開けた
「わ、こわ」
そこには2人ぶんの食料
多分ほくか樹がここにいようとしたんだろう
それにしてもタイミングが良すぎる
買ってきてもらった材料で今日のお昼ご飯をつくる
お昼ご飯の匂いにつられたのか
蓮がもぞもぞと起きてきた
蓮「お兄さんたちは?」
「さっき帰ったよ」
蓮「飯?」
「そう、涼太みたいには出来ないけど」
テーブルに向かい合わせ
2人分のお昼ご飯が並んだ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!