私の緊張とは裏腹に
先生はリズム良く結果を言う
結果私はハンデを負うことには
変わりないのだけれど
対処法やいろんなアドバイスをもらって
明日が少しだけ光って見えた
蓮「あの、一緒に暮らしていく上で気をつけてあげなきゃいけないこと教えてください」
蓮が私の横で初めて口を開いた
先生は特に何も聞かず
注意点を何個か上げた
先生「注意しても上手くいかない時は上手くいかないものだから。あんまり気を張らずにね」
蓮「はいっ」
元気のいい返事に
思わず先生と目を合わせて微笑んでしまった
蓮は蓮なりにずっと気にしていてくれたのかも
そう思うと頬が緩んだ
お会計の時も薬局にいる時も
蓮は私にピッタリくっついて離れない
「あ、ラウちゃんの学校終わっちゃった」
時計を見てそう呟くと
蓮「今日は康二が行ってるから大丈夫」
「私ラウちゃん待ってるあの時間好きなんだぁ」
そう言うと蓮は嬉しそうに笑った
蓮「今日はさ、ラウールの学校じゃないとこよって帰ろ」
「え?うん、いいよ」
蓮「よしっ」
蓮はすごく嬉しそう
どこに行くのか聞こうとしたら
ちょうど私の名前が呼ばれた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!