第60話

【大橋和也】安心して・中編
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2020/03/11 11:42





その日からあの子に意地悪されるようになった。
" 早く別れろ "って書いてある紙が机の中に入ってたり、呼び出されたり。

大橋くんといっしょにいるのが苦痛になるほどで。


「あなたちゃーん」


『っ大橋くん、今日はごめん』


「なんか最近そればっかやない?」


『ちょっと、ね。じゃあ、』



大橋くんと話さないようになった。
大橋くんを避けるようになった。
大橋くんと…会わなくなった。











おかしい、よな。
前からベタベタするほうではなかったけど。
なんか避けられてるし。


〈なーなー、和也んとこ別れたん?〉


いっしょにいることが無くなったからか、友達にそう言われることが多くなった。
俺はあなたのこと好きやし、別れたない。
もう一度ちゃんと話そう、と思ってあなたちゃんのほうに行った。


[あなたちゃん、今日もね。]


『っ…うん。』


なに、明らかあなたの顔引きつっとるやん。
なんか…ある、絶対ある!


バレへんように後をつけていくと、衝撃的やった。


[なんで別れないのよっ!]


『った、…』


[ねぇ、聞いてる?!]


『…わかってるよ、別れてくる。』


[ふふ、やっと別れてくれるのね。]



クラスの子に虐められてるあなた。
可哀想で、申し訳なくて、怒りが溢れてきて、




「勝手に別れるとか言わんといてくれる?」





勝手に体が動いてた。








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