第16話

【永瀬廉】発熱・後編
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2020/01/18 04:58




ひとカップ食べ終えると、体をこくっこくって揺れてるあなた。

「寝てええよ?」

『ん…』

あなたを横にさせて、俺もその横に寝転ぶ。

『れん、移っちゃう…』

「別にええよ、明日休みやし」

こんな状況でも俺のこと気にしてくれんのが、嬉しいけど、今はあなたのほうが大事だから。
ぽん、ぽん、と、リズムよくあなたの背中を叩いてあげる。

『れん、…』

「ん?…あ、なんだ、寝言か…」

呼ばれたと思って返事したら、寝言。
寝言で俺の名前呼んでくれるなんて、可愛すぎん?
寝てる間にお粥でも作ってこよ、と思い、立ち上がる。

料理苦手やけど、必死にクックパッド見ながら作ったわ。
部屋にお粥を持って入ると、あなたが寂しそうにこっちを見つめていた。

『いなくなっちゃったかと思ったぁ…っ』

泣き出しそうにこっちを見つめてくる。

『うぅ…っ、』

「あぁ〜、ごめんな?」

「お粥作ってきたで?食べる?」

泣いてるけど、こくっと頷くから食欲はあるんやなって思う。
さっきと同じように あーんで食べさせてあげる。すぐに完食。
お腹減ってたんやな。

「熱、辛い?」

『れん、いるからへーき』

「でも顔真っ赤やで?」

「早く寝た方がええよ?」

『どっか行っちゃやだ。』

なんだかんだ夜の9時。
ちょっと早すぎる? いや、寝ぇへんとあかんやろ。

「泊まってってもええ?」

『泊まってって…』

ぽやぽやさせた顔で言ってくるから、もし病人やなかったら襲ってたかも…なんて。笑

「寝るまで傍におってあげるから、明日、病院行こ」

夢に入る寸前なのか、目をうっすら開けて微笑むあなた。
そのまますぅっと眠りに入っていった。



明日病院に連れていったところ、見事にインフルエンザと診断されました。






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