『だぁーいご』
「んー」
『どっかいこーよー』
「いや、家におりたい。」
ども。
大吾の家にいます。
大吾は極度のインドアなので、デートはもっぱらお家デート。
しかも、ずぅっと、ゲームしてる。1人で。
『こっちきてよ、』
「ちょっと待っててな」
全然ゲームを止める気がなさそう。
もういいや、
『…ちょっとコンビニいってきまーす』
「はいよ。」
目を合わせることなく、気ぃつけてな と言われる。
テキトーにコンビニでお菓子とか買って、大吾の家に帰る途中、
[あー、あなたちゃん!]
誰かと思えば、高校のときの同級生、大橋くんがだった。
『大橋くん?』
大橋「そーそー! むっちゃ久しぶりやなー」
『そうだね』
明るい彼の性格につられて、道でたくさん立ち話をした。昔の思い出や、今してること。
連絡先とか交換して。
大橋「てかさー、あなたちゃん、ここらへん住んどるん?」
『あ、あー、、ちがう、んだけど、』
「おれのなんやけど。」
突然、ふわっと、誰かに後ろから包まれる。
『っ大吾?!』
「…遅かったから、来てみたんやけど…だれ?」
『あー、あの、大橋くん。高校のときの…』
大橋「同級生なんです!久しぶりやったから、めっちゃ喋ってもうて、」
「うわき?」
『いやいやいや! 違うっ』
「まぁええわ。帰るで」
『あ、っばいばい、』
大橋「またな!、?」
手を引かれて、すたすたと歩いていく。
大橋くんに悪いことしちゃったな、って思う隙もなく、家に着いた途端正面から抱きしめられる。
『っなに、突然来て』
「遅かったから、心配したねん。」
「やのに、男といっしょにおるから」
『ごめん、ね。久しぶりで盛り上がっちゃって』
「…俺がこんなんやから、浮気されたんやと思った。」
『浮気なんて、しないよ』
「どっか行かんとってな」
『だいじょぶ。大吾のとこにずっといる。』
いつも素っ気ない彼からそんな言葉が出てくるなんて思ってなかったから、嬉しい。
少しだけ、素直に思いを伝えられた。
抱き締められたまま、頭を撫でられる。
「……いつも言わんけど、」
『っ〜〜〜!』
突然耳元で
" 大好き "
なんて囁かれたら…!
「っ照れんなや、こっちまで恥ずかしくなる。」
『だって!、』
久しぶりに大吾の愛を感じた1日になりましたっ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!