〈ほんっと変わったー!〉
《そんなにかなぁ?》
高校を卒業して5年。
俺の友達が同窓会を開いてくれて俺とあなたで参加している。
んだけど、
〈あなたちゃん久しぶりだね!〉
『あ、うん…そうだね、!』
〈あ、もう一杯飲む?〉
『大丈夫…です、』
なんか、よく分かんない男があなたにやたら近づいてる。
あなたも拒んでんのに懲りねぇの?
〈遠慮しなくていいからさ!ね?〉
あなたの肩をそっと抱きしめてる。
その姿を見ているだけで、この胸に黒い感情が湧き上がってくる。
『あの、そろそろ帰らないと…』
〈もう帰っちゃうの?あ、連絡先…〉
「あなた、帰ろ」
アイツの話を遮って、あなたの手を引っ張る。
軽く俺の友達に帰るって伝えて、店を出る。
家までの5駅分、何も話さずに、でも手は離さずに帰った。
あなたを連れて俺の家に入り、2人でソファに座る。
『あの…ごめんね、』
「何が?」
『その…いっぱい他の人と話したから、、』
どうやらあなたは俺が怒っていると勘違いしているらしい。
「怒ってないよ。」
あなたが悪いと思っていないから、怒ってはいない。
だけど心がモヤモヤして、あなたの唇を荒々しく奪う。
『っ、ん…』
唇を離してから、
「俺、あなたに怒ってないよ。でも、、アイツには嫉妬した。」
『え、?』
「だって、めっちゃ触られてるから。」
『ごめん、ね。』
「ねぇ、さっき触られてたとこ、上書きしていい?」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!