第41話

【大西流星】卒業の日
13,371
2020/02/25 10:52




まだひんやりとした風が吹く中、卒業式が行われた。
彼氏の大西流星くんは3年生だから、今日でこの学校を卒業する。

卒業式が終わって卒業生がほとんどいなくなった校庭。
2人でまだ花の咲いていない桜の木の下にいる。


『流星くんっ』

「…あなたちゃん」

『お別れ、だね。』

「え?」

『だって、私まだ高校生だし…』

「僕がいつ、高校卒業したら別れるって言うたん?」

『だって、、、っうぅ』

「あーぁー、泣かんとって?僕せっかく卒業式泣くの我慢したのに、あなたが泣くともらい泣きしてしまうやろ?」

『っうん、、』

「僕は、卒業してもずっといっしょにおりたい。やから、あなたと別れへん。」

『ほん、とに?』

「ほんまやよ」

『絶対だよ、』

「…今言うわ。あなたちゃんが卒業したらいっしょに暮らそ。同棲したい。」

『…っうん。流星くんといっしょにいたい。』

「ちゃんと、学校がんばり?」

『流星くんと同じ大学行けるように』

「約束、な?」

指切りをして、触れるだけの優しいキスをした。







なんて会話をした日からもう1年。
私もこの学校を卒業した。
去年、話した木の下を眺めながら、学校を後にする。

そして、……流星くんの家に向かう。


ピンポーン、

「はーぃ、」

『流星くんっ!』

出てきた途端、抱きついた。

「あなたちゃんっ!卒業おめでとうっ」

『ありがとう』

家の中に入る。
流星くんは、今一人暮らしをしている。
何度も訪れた流星くん家。

『あのねっ、わたし、卒業したんだよっ』

「うん。」

『だから、、だからっ』

「約束、やろ?いっしょに暮らそっ」

『やったぁ!』

長くて甘いキスをした。
2人で喜びあって、微笑みあった、卒業の日。









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